白夜城ブログ

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魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑 (一迅社文庫アイリス) 魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑
7/18発売
盗まれた〈天使の書〉の噂を聞きつけてメイザス魔道書店にやってきたジールは、奴隷にのようにこき使われている天使達と出会い、〈天使の書〉を買い戻すために書写師として働くことになる。ジールにだけは優しい悪魔の如き美貌と性格と能力を持つ店主と、天使のような(見た目の)少女の魔道ファンタジー。

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3 「ノイリ」
 マルタに呼ばれて立ち上がった。
「もう帰る?」
「いいや、もう少し遊んでおいで。私は買い忘れた物を思い出したから、ちょっとだけ行くね。ここなら安心だし、みんなと一緒にいるんだよ」
「うん」
 汚れた手を振ってマルタを見送り、獣人たちが穴を掘る姿を眺める。
 とっても可愛いのだ。ずっとそうしていると、穴を掘っていた男の子が手を止めた。
「姫様姫様、お城のこと聞いていい?」
 狸のようなモグラのような、よく分からない男の子だ。でもとっても可愛い。
「私はまだよく知らないです」
「でも、オレはまだ入ったことないから、オレ達よりは詳しいよ」
「そっか」
 少なくとも、エンダーの執務室の内装や、食堂の内装は分かる。
 道は分からないけど。
「お城って、中はどうなってるんだ? やっぱり金色なのか?」
「そんな悪趣味なこと、ご主人様はしません。
 お客様が通るところは、大理石なの。廊下は真っ暗だと淡く光るの。白くて幻想的で綺麗なの」
 子供達はおおっと身を乗り出す。
「入ってみたいなぁ」
「警備上、知らない人が入る時は念入りなボディチェックがされるから、簡単には入れないよ。でも、ちゃんと事前に承諾をもらえば、街に住んでいる人なら入らせてもらえると思うから、ご主人様に聞いておくね」
 子供達は喜んだ。
 エンダーは職人を優遇する。将来職人になりたいという子供達が見学を望むなら、叶えてくれるだろう。前に画家の息子が城に保管されている絵画を見たいと言った時は快く見せてくれていた。
 エンダーは信頼できる相手をちゃんと見極めるのだそうだ。城のみんなは、エンダーの人を見る目をとても褒めている。エンダーはとってもすごいのだ。
「やあ、こんにちは」
 大人の男の声がして、子供達が一斉に顔を上げる。
 魔族型に近いが、肌質から竜族の血が混じっている風な男の人が立っていた。
「おじさん誰?」
 竜族の女の子に尋ねられ、やや顔が引きつった。小さな子にとっては十分おじさんなのだが、エンダーよりは若く見える。エンダーもあれでまだ若いらしいので、きっと彼も若いのだろう。
「実はそこで事故があってね。馬車に轢かれた獣族のご婦人に君を呼んできて欲しいと頼まれたんだよ」
 彼はノイリに向かっていった。
「ひかれ……」
 砂場に尻もちをついて、倒れかけたところを誰かが支えてくれた。
 マルタが轢かれた。
 振り上げられる斧、潰れる人の頭を思い出す。
 目の前が真っ白になる。
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2007/08/13   窖のお城   84コメント 1     [編集]

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