白夜城ブログ

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
誤字の報告はこのフォームからお願いします


魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑 (一迅社文庫アイリス) 魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑
7/18発売
盗まれた〈天使の書〉の噂を聞きつけてメイザス魔道書店にやってきたジールは、奴隷にのようにこき使われている天使達と出会い、〈天使の書〉を買い戻すために書写師として働くことになる。ジールにだけは優しい悪魔の如き美貌と性格と能力を持つ店主と、天使のような(見た目の)少女の魔道ファンタジー。

--/--/--   スポンサー広告     [編集]

61

 ハルカさんは……きっと俺の事を羊だと思っている。
 狼だとは思っていない。思ってたら……もう少し警戒するだろう。
 夕飯食べて、ホテルの部屋に戻って、ハルカさんはシャワーを浴びて普通にくつろいでいる。
 手狭のツインルームだが、淡い証明が雰囲気を作る、綺麗でいい部屋だ。窓から見える夜の海も風情があっていい。
 平気だろうと思っていた。いつもドアを開けて寝ているから、お互いの息遣いを感じて寝ていたから。
 でも、やっぱり雰囲気のある部屋で二人きりというのは、ドキドキする。
 ハルカさんは隣のベッドで、ルームウェアを着てくつろいでいる。透けないけど、薄手のキャミとショートパンツだ。いつもの格好だけど、ベッドに寝そべる姿ってのは……。
 どうでもいいけど、こんな所にまでネットブック持ってきてるとか……。
「どーお?」
「なかなか難しくて……」
 仕事してるかと思えば、マインスイーパーをやっていた。
「ああっ……」
 話しかけたら間違えて地雷を押してしまったらしい。ちなみに初級だった。
「ハルカさん……」
「どうせ私はバカですよ。頭のいい人のためのゲームですよ」
 ハルカさんはぶーと膨れてネットブックを閉じ、胸に抱えて仰向けになる。
「明日は海だねぇ。楽しみだねぇ」
 ハルカさんのビキニ姿が見られる。選んだ水着は知っているけど、実際に着ている所は見せてもらえなかった。ああ、楽しみだ。ハルカさんのスタイルで、水着が似合わないはずがない。
「はしゃぐんじゃない」
「楽しみなんだもん」
 それはいいけど、俺、眠れるかな。好きな人が隣にいるのに……。体力無いときついよな。運転しているハルカさんの隣で寝たりしたら悪いし、ちゃんと今寝ないとヤバいのに。
 ああ、興奮してとても眠れる気がしない。
「んーじゃあさぁ、まだ寝るには早いし海岸に散歩にでも行く?」
 ハルカさんはごろりと転がり、仰向けになって尋ねてきた。なんて渡りに船。気を紛らわせるにはちょうど良い。
「行く行く。でもちゃんと服着てね」
「浴衣はおる」
 ハルカさんは浴衣を羽織って帯を締め、長い髪をさっと束ねた。
「うし」
 浴衣似合うなぁ。メイクして目が大きく見えるハルカさんも綺麗で好きだけど、ノーメイクのハルカさんも切れ長の目が魅力的だ。というか、俺はむしろ見慣れたノーメイクの方が好きだ。
「行こう行こう!」
 ハルカさんの腕を引っ張って、さりげなく手をつなぐ。一瞬ハルカさんは俺の顔をのぞき込み、すぐに笑ってふりほどく。
「あんたはその寂しがり屋を直しなさい」
「えぇー、手つなごうよ」
「うざい」
 う、うざ……。
 まあ、ハルカさんらしいけど。
 ハルカさんは恋人になっても手をつないだら怒りそうだ。まあ、口をきいてもらえるだけ良いか。
 エレベーターで一階に下りて、ホテルの外に出る。
 ホテルの前は海で、夜でも綺麗だ。潮風が心地よい。ばあちゃんとは、海なんて温泉旅館がたまたま近かった以外の理由では行かなかったから、浮かれてしまう。
 砂浜まで来ると、サンダルを脱いで足を海に浸した。
「気持ちいい!」
 水のかけっことかしたら、シャワーを浴びたばかりのハルカさんはマジ切れしそうだから我慢する。
「はいはい。人が見てるんだから、あんまり騒がないでね」
「え、人?」
 俺は周囲を見回すが、人はいない。
「どこ?」
「ほら、あそこで手を振ってる」
 ハルカさんの指さす方を見る。
 …………俺、視力は両目とも悪くない。
「誰もいないけど」
 ハルカさんが指さしたまま固まった。
 固まったまま動かない。
「ハルカさん?」
「私帰るっ」
 ハルカさんが泣きながら走っていった。
 俺も慌てて追った。
 海で死んだ人って、多いから……なのかな?



backmenunext
誤字の報告はこのフォームからお願いします


魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑 (一迅社文庫アイリス) 魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑
7/18発売
盗まれた〈天使の書〉の噂を聞きつけてメイザス魔道書店にやってきたジールは、奴隷にのようにこき使われている天使達と出会い、〈天使の書〉を買い戻すために書写師として働くことになる。ジールにだけは優しい悪魔の如き美貌と性格と能力を持つ店主と、天使のような(見た目の)少女の魔道ファンタジー。

2010/07/02   推定家族   796コメント 9     [編集]

Comment

 

社怪人6066   ほえ?   2010/07/02   [編集]     _

ハルカさんって『みえるひと』だったんですか?

takk6067     2010/07/02   [編集]     _

いざりでもやってたんでしょうか?海んちゅの場合夜中に潜り漁や磯漁りをやってます。ウェットスーツ着てたりするとかなり分かりにくいです。まあ・・・沖縄には今でもかなりやばいレベルの心霊スポットや聖域があったりしますが。本職のユタさんとかいますし。ところでハルカさんまさか今晩ハルトのベッドに潜り込んだりするんですか?あの自称オオカミさんのベッドに。ホラー映画ですら弟の布団に潜りこんでたんですよね?

しったら6068     2010/07/02   [編集]     _

「魔女の弟子」のラァス君みたいに「見えるけど、怖いから認めない」人なのかな?

アイダ6069     2010/07/02   [編集]     _

ハルト君!今がチャンスだよ!!

Rinka6070   ハルカさん・・・   2010/07/03   [編集]     _

 ハルト君の青春日記だと思っていたのに、最後の最後でこのオチですか。可哀相なハルト・・・・。

G.G.6071     2010/07/03   [編集]     _

ハルカさん、怖くなって布団とかに潜り込んで来そうだけど、ここでハルト君が勢い余って手を出してしまうと、ハルカさんが意識してしまうので同居生活にも支障が出そうだし。
がんばれ、ハルト。大学合格するその日まで、若さ故の暴走を押さえ続けるのだ!

通りすがりの電柱6073     2010/07/03   [編集]     _

なんかとーこさんの小説の男の子って不憫な子が多いような気がする

とーこ6074     2010/07/03   [編集]     _

女も不憫な子が多いです

ありんこ6075     2010/07/03   [編集]     _

海でビキニフラグが折れたかもw


Pass:   非公開:    

.

最新記事のRSS

.

更新履歴 カテゴリ コメント

.

.

拍手

.

リンク

.



.

.

.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。