白夜城ブログ

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魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑 (一迅社文庫アイリス) 魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑
7/18発売
盗まれた〈天使の書〉の噂を聞きつけてメイザス魔道書店にやってきたジールは、奴隷にのようにこき使われている天使達と出会い、〈天使の書〉を買い戻すために書写師として働くことになる。ジールにだけは優しい悪魔の如き美貌と性格と能力を持つ店主と、天使のような(見た目の)少女の魔道ファンタジー。

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 告訴宣言三日後の夕方、鈴木両親と担任が菓子折を持ってきた。
 悪意と罪を証明する証拠の山。編集していた時は、コテコテなイジメだと感心したものだ。
 母は満面の笑みを浮かべて、鈴木両親を迎え入れた。
「まあ、謝りに来るのが遅い上に、張本人が来ないなんて、謝罪の意志なんて微塵も感じられないわ」
 母は頬に手を当ててため息をつき、信じられないとばかりに小さく首を横に振る。その間も嫌味なほどの笑顔だった。
 しかしまったくもってその通りだ。こちらは父以外はちゃんと揃っているというのに。というか父親のいない時間帯に来るなんて、何考えてるんだか。女子供なんて、口で丸め込んでやるとでも考えているのか。うちで一番大人しいのは父さんなのに。
「申し訳ありません。娘は今寝込んでいて」
「寝込むのは普通、うちの娘じゃないかしら。でもこの子は毎日ちゃんと学校に行ってたわ。あなたの娘さんがクラス中に無視するように指示していたクラスにね」
 母さんにとって鈴木一家は完全に敵であるらしい。
 ここまで嫌ってるということは、会社に乗り込んだ時にろくな対応をしなかったのだろう。親子揃って自爆がお好きなようである。
 何かをしたら告訴するとは言ったけど、何もしないとかないだろう、普通。引きこもったら許されるとでも思ってるのか?
「橘川、どうして先生に相談してくれなかったんだ。いくらなんでもいきなり刑事告訴しようだなんて……」
 日和見主義の先生は、まるでついさっき知りましたとばかりの恐ろしい発言をした。
「え、知ってたじゃないですか、体操服の事。それとも、自然に体操服が切り刻まれるとでも思ってるんですか? 私、あれ以来先生の事は信じられなくなりました。
 先生は成績も良くて見た目も可愛いぶりっ子の方が可愛いんですから。
 私みたいなダメでブスな子は、自殺してもいいんでしょうねぇ。分かります」
 バカだし、可愛くないし、可愛げまでないし。教師にとっては嫌な生徒だろう。
「そ、そんな事はないぞ。先生が口を挟めば、余計に非道くなる事も……」
 うわぁ、この教師最悪。
「やぁねぇ先生、余計に非道くなるって、それこそ転校か自殺か世間様を巻き込んで騒ぐか刑事告訴しかないじゃないですか」
 母さんがにっこりと笑って言った。
 ほんとこの先生は大嫌い。
「私は別に、どちらでも良かったんですよ。告訴の方が、ろくに動かない教育者達を相手にするよりも楽そうだったというだけです」
 母さんは薄ら笑い、自分で入れたお茶を飲む。ちなみに三人に出したのは香典返しのお茶。自分で飲んでるのは一缶5000円の紅茶。
「どうか、どうか、思いとどまってください。うちの娘が……昨日自殺を図ったんです。ですからどうか……」
 私は耳を疑った。何こいつら。
「はぁ? 自殺ってどうせリストカットでしょう。私が自殺をしろと命令したわけじゃないから、うちにはまったく関係ないですよ。それとも私に自殺して欲しいんですか?」
 本当に上手く苛めれば、きっと一つも罪を犯さずに自殺に追い込む事も可能だろう。その点、鈴木は詰めが甘い。
「一回、ちゃんと忠告したんですよ。あの音声を文章にして渡したんです。何を勘違いしたのか、それから本人が手を出さず、他人を使うようになったんです。そんな極悪な人を許したら、次は何されるか分からないじゃないですか。いやですよ。次は男の子の乱暴されるとか。それ狙ってるんですか?
 彼女の事好きな男子に、告白されたんですよ。仕向けられたって知ってたから指摘したら、逆ギレして殴られそうになりましたし。命令すれば動く男の子がいるって、本当に怖いんですよねぇ。彼女、本当に漫画みたいなイジメするから、否定できる要素全くないですし。先生は知ってて見逃してましたし」
 本当に最悪。だから言える。
「自分から死んでいなくなってくれるなら、すごく有り難いです。他にも被害者はいるみたいですから、喜ぶ人の方が多いと思いますよ。他の人もきっとやらされているだけですからね」
 私は満面の笑顔で言ってやった。いなくなってくれたら嬉しい。それだけだ。
「そ、そんなっ」
 鈴木父は、予想もしていなかったように驚いた。
「前科、もしくは犯罪歴がつくだけですよ。さすがにそうなれば、誰もついて行かなくなるでしょう。自分の将来を目茶苦茶にしたくないでしょうから。
 さすがに女の子一人じゃあ何も出来ないでしょうから、まあ少しは安心できるようになりれます。
 私は聖人君子じゃないですから、人に死ねって言う犯罪者の事なんてどうでもいいんで、力が無くなるか、私の目の前からいなくなってくれるのが一番なんです。意味、分かります?」
 引っ越すか、告訴されるか二つに一つだ。
 あんな女はまったく信用できない。
「自分で謝って反省の意志を見せたなら、ここまで言わなかったんですけどね。謝りに来ないし、親が先に来るし、頭きてるんですよ。反撃されないとか思ってる馬鹿、大嫌いだし、脅せば自殺を出せばやめると思ってる馬鹿親も大嫌い。
 やめてくれと言うなら、そちらにやめてくれる証拠を見せて欲しいもんですよ」
 こういう人を相手にしていると、人間が嫌いになる。
 だからどこまでも戦える。
 私にとっていい人でないなら、どうなろうと知った事ではない。



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2010/06/29   推定家族   793コメント 7     [編集]

Comment

 

社怪人6048   双方共に……   2010/06/29   [編集]     _

「親が親なら子も子」が当てはまるなぁ。
でも、意味は180度違うけどねw

腐れの親の子は腐れてるし
攻めの親の子は攻めてるし

続きを楽しみにしております。

れん6049   お母さんも素敵   2010/06/29   [編集]     _

本当に鈴木さん達は敵に回した相手が悪かったですね-
味方にしたら頼もしいのに。
鈴木さんはお父さんに泣き付いたんでしょうか。何処までも器の小さい子ですね。もう問答無用で前科一犯にしてしまいたかが虐めで・・と思ってるおバカさん達を後悔させちゃえば良いと思います!

-6050     2010/06/30   [編集]     _

気持ちいいくらいの正論。
いますね、自分が加害者なのに自傷やハンストで「こんなに反省してるんだ!」アピールして許されようとするひと。
教師陣もイジメでさえ喧嘩両成敗でなぁなぁにしたいから「お前も辛かったろうがあいつも今辛いんだ…」みたいなことをイジメられた側に平気で言いますよ…加害者に同情して被害者に我慢強くのは非情じゃないのかっ。

重虎6051     2010/06/30   [編集]     _

見てて胸がすくような気分です(笑)
やったらやり返されるのが常識ですよね(´_ゝ`)

アイダ6052     2010/06/30   [編集]     _

教師なんてあてにならないですよね。先生に相談してくれればなんてセリフほんと反吐がでます。

-6072     2010/07/03   [編集]     _

喧嘩両成敗って、全然良くないのにそうする人間が多すぎて嫌になります。でもそれで納得しないと、今度は加害者そっちのけで被害者だけ怒られるんですよねー……意味分からない^^;
教師って漫画とかドラマにありがちな熱血とかってほとんどいないし、熱血でも逆にトラブルがおこることとかあるから、一番信用ならない職じゃないのかと本気で思います(苦笑)

ってなわけで、いいぞー、もっとやって! そしてぜひお姉さまと呼ばせてくださ(ry

-9249     2014/06/01   [編集]     _

喧嘩両成敗って、どちらも納得出来ていたらそれでいいんですよ。保育所時代に喧嘩したときがそうでした。互いに謝りあって、その後も中学で再会した後もそんなこともあったねーでしたし。
でも小学生時代、難癖つけられて否定したのにクラス問題になって、最終的に時間をとらせてごめんなさいと皆の前で謝らされた時、全然納得いかないし担任は信用出来ないしで、学校行けなくなりました。無関係のクラスメイトには授業時間つぶれて悪かったけど、そもそも信じないで問題大事にしたのどっちだと思ってんだ。
ハルカさんじゃないけど、あの時の教師は自殺しようがうつ病になろうが自業自得だと思ってます。

しかしこの話、今まで誰にも話せなかったけど、みんな結構同じ思いされている方がいたんですね。安心、というか、やっぱりあそこで怒ってよかったんだなぁと認識できました。


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