白夜城ブログ

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魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑 (一迅社文庫アイリス) 魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑
7/18発売
盗まれた〈天使の書〉の噂を聞きつけてメイザス魔道書店にやってきたジールは、奴隷にのようにこき使われている天使達と出会い、〈天使の書〉を買い戻すために書写師として働くことになる。ジールにだけは優しい悪魔の如き美貌と性格と能力を持つ店主と、天使のような(見た目の)少女の魔道ファンタジー。

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 我が家に戻った。運転疲れた。超疲れたけど、水槽を引っ張り出して、洗って、みずためて、薬剤入れて、ごはん食べてからようやくバケツから水槽に移した。水は少し置いて水温を慣らさないと、中に入れられた金魚たちが驚くから。
 水槽に4匹。ちょっと寂しいかも。明日は買い物のついでに水草とか買ってこよう。
「ハルカさん、俺が餌あげていい?」
「えさは明日あげて」
「えー、あげないの?」
「そ。明日からは一日一回。食べきれる分だけあげなさい。食べきれる分だけ。水が汚れて病気の元になるからね。餌をあげる前はよく見てね。白いカビが生えてたとか、病気だから。餌をあげる前はよく観察。自分ですくってきたんだから、責任は持つ事」
「はーい」
 今は見た感じ大丈夫そうだけど、何があるか分からない。
 死なれると悔しい。こいつら突然変異を品種改良してつくられた生き物だから、抵抗力が弱くて死にやすいんだ。
「あ、でも、旅行の間は餌どうしよう。明後日出発なんだよね。ハルナちゃん家に戻るしさ」
「三日ぐらい死にゃしないから大丈夫」
 ハルトは心配性だ。病気には弱いが、数日食わなくても平気な生き物である。
「大丈夫。夏期講習あるし、帰りはちょっと寄るから心配しなくても良いよ。もしも遅くなりそうなら一人でも泊まるし」
 そっか。学校も塾もこっちの方か。セキュリティはしっかりしてるし、防犯用の割れにくい窓ガラスだし、一人でも安全だから平気だろう。
「そういえば旅行だっけ……疲れるなぁ」
「明日は準備だけしてゆっくりしたら?」
「買い物とかあるの」
「じゃあ荷物持ちするね。俺、飛行機初めてで嬉しい」
 ハルトはほんと浮かれてるなぁ。ばあちゃんとじゃ、新幹線が限界か。
「私は温泉の方が好きなんだけど」
「俺も好き。次は温泉行こうよ」
「また懸賞が当たったらね」
 まあ、ばあちゃん大好きなこの子なら、温泉も好きだろうなぁ。
「なんかハルトお兄ちゃんって……動物に例えると犬だよね」
 ハルナがくすくすと笑いながら言った。
 確かに犬だ。なつくと鬱陶しいほどじゃれついてくる。躾ければよくいう事を聞き、まさしく犬である。よく命令を待つ犬のような顔をしているし、犬としか言いようがない。
「ハルナ、明日帰る? 教科書とか重いでしょ。買い物ついでに送るよ」
「じゃあ、いいかな」
「いいよ。ハルト、欲しい物考えておいてね」
「うん、わかった」
 ……本当にこの子って犬だ。もし尻尾があったら、振り切れそうなほど左右にばさばさ振れてそう。
「私も学生の頃、羊の皮を被った狼とか狂犬とか言われてたな。手を出すと噛まれそうだからって」
 まったく、人を頼ってきたのにひどい言いぐさだった。言ったのはその子じゃなくてもさ。
「ハルカさんは着飾って黙ってれば、猫っぽいのにねぇ」
「トキにはハムスターって言われた」
「それもなんか分かるような気もする」
 そうか? 男の感覚は理解できない。
「さて、風呂にはいるか。入れんのめんどいからシャワーでいい?」
「じゃあ、私が用意してくるよ。疲れてる時はお風呂が一番だもん」
 いい子だ。ずぼらな私のイトコとは思えない。
「よろしくー。私はちょっとパソコン見てくる」
 仕事と言うと仕事ではないとか言う人もいるけど、仕事は仕事だ。一昨日までは異様に調子が良くて、昨日の夜の動きが微妙すぎて、利益飛んでないか心配でちょっとドキドキする。
 私はアコーディオンカーテンで仕切っただけの自分の狭い仕事場に入り、壁に並んだディスプレイを見る。
 私は下に降りて、掃除をはじめたハルトに笑みを向けた。
「今日はとっておきの入浴剤使おうか」
「どうしたの? もうけてた?」
「ばっっっちしよっ!」
 美味しい。美味しすぎる。ドローダウンが怖いけど、今月だけで100万近い利益だ。にやけてしまう。
 お金が儲かるって良いなぁ。楽しいなぁ。
「よし、せっかくだから水着買おう」
「ほんと? 水着着るの?」
「ホテルの前がビーチなんだって。あんたのも買ってあげようか」
「俺は良いよ。去年買ったばっかだし、男の水着は代わり映え無くて新しくても楽しくないよ」
 それもそうか。
「女の人の水着の方が楽しいよ。俺も選ぶの手伝うよ」
「なんでそんなもん手伝うの」
「ハルカさん、ほっといたら地味なの買いそうだもん。ビキニにしようよ。せっかく人に見せて恥ずかしくない鍛えられた腹筋なんだからさぁ」
「見せるためじゃなくて自己満足のために鍛えてんの」
「ちょっとだけ、ちょっとだけ一緒に選びたい」
「別にいいけど」
 荷物持ちだし、下着売り場でもあるまいし。
 ただ、年下の男をたぶらかしたように見られそうなのがネックだ。いっそ姉と呼ぶようにさせようか。いや、こいつがそんなに簡単に呼び方を変えられるとは思えない。演技とか出来なさそうな子だから。

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2010/06/23   推定家族   788コメント 8     [編集]

Comment

 

-6017     2010/06/24   [編集]     _

旅行前で浮れてるだけじゃなくて、この超絶鈍感にデートの約束を取り付け。ハルト意外に冷静だわ。それとも浮れすぎてるのか。

鮫。6018     2010/06/24   [編集]     _

水温合わせだけじゃなく水合わせもしないとと思うんですが。
金魚ってphショックとか強いんでしたっけ弱いんでしたっけ?
子供の時にお店で流金買ってもらって水温合わせはしたけど
水合わせしてなくてすぐ死んだ思い出があるからちょっと心配です。

一角6019   大丈夫じゃないかな?   2010/06/24   [編集]     _

水に薬剤を入れるっていうのがその対策じゃないのでしょうかね?

鮫。6021     2010/06/24   [編集]     _

いえ、薬剤っていったらカルキ抜きとか粘膜保護材とかですし
水合わせをできる薬剤というのはありません。
PH調整剤でしようと思ったらできないこともないと思いますが
手間暇かかるだけでメリットないですしね。

急に水質が変わることで
お魚が弱ったりPHショックで死んだりするのを防ぐために
水質変化に強いお魚なら1/4ずつくらい15分置きで、
海老とかの水質変化に弱いものとか弱ってるお魚は1/8ずつくらい
やっぱり少しずつお水を替えてお魚に負担をかけないようにするのが「水合わせ」です。

同じ原理でエアーストーンを重し兼フィルターにして
エアーチューブで入れる予定の水槽から高低差を利用して
チューブに軽く結び目を作って水を少しずつバケツに滴下するように調節して手抜きしながら
水温も合わせられて急激な水質変化の負荷防ぐ便利な方法とかもありますけど。
とーこ様のお好きな楽天でも「水合わせキット」って売ってますから
水槽とか買うついでがあるなら買っとくと便利かもしれませんが
一方コック錆びますし「エアーチューブ」と「エアーストーン」は100均でも売ってますね。

水温の変化=人間でもある急な温度変化による心臓マヒみたいなもので
水質(PH)の変化=急に空気の成分とか酸素濃度が極端に違ってしまうことで受ける負荷に近いと思います。

とーこ6022     2010/06/24   [編集]     _

袋に入れて浮かせとくってずぼらな手法でやろうと思ったんですが、書くの忘れてました。

鮫。6023     2010/06/24   [編集]     _

とーこ様。それも水合わせじゃなくて温度合わせだと思います(^^;

とーこ6025     2010/06/24   [編集]     _

いや、温度合わせが終わったら、その袋で水合わせをするんです。

鮫。6027     2010/06/24   [編集]     _

あぁ、なるほど(^^)
袋に穴を開けてやるやつですね?
確かに新しい水槽だったら水が混じってもいいしいけそうですね。


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