白夜城ブログ

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
誤字の報告はこのフォームからお願いします


魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑 (一迅社文庫アイリス) 魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑
7/18発売
盗まれた〈天使の書〉の噂を聞きつけてメイザス魔道書店にやってきたジールは、奴隷にのようにこき使われている天使達と出会い、〈天使の書〉を買い戻すために書写師として働くことになる。ジールにだけは優しい悪魔の如き美貌と性格と能力を持つ店主と、天使のような(見た目の)少女の魔道ファンタジー。

--/--/--   スポンサー広告     [編集]

54

 ジージー、ゲコゲコ、グォーグォーと、五月蠅く鳴く生き物達、木々の葉を揺らしてさらさらざわざわと慣らす風の音。さっきまで人がたくさんいたのに、今ではすっかり静かになって、騒がしい自然の音がBGMのように鳴り続ける。
 ジジイが戻ってきたのは、そんな風にすっかり静まりかえっていた時だった。
 連れていたのは髪を茶色に染められた五歳ぐらいの女の子で、ふくふくとした耳たぶには、ピアスの穴が開いている。
 その姿を見たおじさんは、金髪のオッサンを物陰に連れ込んで殴った。
「子供を虐待すんなっ! 子供の身体に手を加えるのも立派な虐待だ! 染料が子供にとってどれだけ害があるかっ! もう、俺は情けないっ!」
「あ、あれは女房がっ」
「同罪だ!」
 長くなりそうだから私は女の子を別の部屋に連れて行こうかと悩んだ。
「おい、ハルカ。このガキ連れてそこの神社の祭りにでも行ってこい」
 ジジイが外を指さして命令する。女の子はびくりと震えてジジイを見上げ、そのズボンをぎゅっと握る。短時間の間にずいぶんと頼られるようになったもんだ。
「へぇ、お祭りあるんだ。葬式の後に良いの?」
「誰が気にする。あの女は感謝すらするだろうよ」
「資金」
 私は笑みを浮かべて手を差し出した。
「ちっ、しこたま溜め込んでやがるくせに……」
 しぶしぶジジイが5千円札を出す。万札じゃないとかケチめ。
 まあいいさ。
「よーし、お祭りだよ。えと、私はハルカ。君のお名前は?」
「めろん」
 彼女は小さな声で、そう言った。
「め…………」
 私は衝撃を受けた。
 聞き間違えだろうか。いや、聞き間違えたにしても、メロンに聞こえる名前なんて普通じゃない。
 おじさんの所に行って私も殴りたい。どんな漢字を当てられたのだろうか。食べ物でも杏とか、名前に向いた可愛いのがあるのに、なぜメロン。この子はペットか。
「め……めろんちゃんって言うの?」
「うん」
 間違いなかったらしい。
 この子は知らない人ばかりで緊張しているのか、恥ずかしがり屋さんなのか、俯いてもじもじと内股をこすり合わせた。
「お前は、子供になんつー名前をっ」
 どうやら私の上擦った声がおじさんに届いてしまったらしく、ますます説教がヒートアップする。
「ハルト! 亜子ちゃん連れてお祭り行くから! 迎えに行こう!」
「う、うん」
 二人は座布団を片付け始めた。私はこの子を安心させてやらないと。
「グル君も行こう! 身内がいた方が安心だろうから、着替えておいで!」
「は、はい」
 制服を身につけているグル君は、慌てて自分の部屋に走っていく。
「ええと……メロンだからウリちゃん」
「ハルカさん、そんなイジメられそうな名前はやめてあげてっ」
 首を必死な表情で横に振るハルトに肩を掴まれ、私は渋々頷いた。
 でもメロンなんて抵抗がある。
「じゃあ……メロちゃん。お父さんはちょっとお父さんのお兄ちゃんとお話があるから、お姉ちゃん達とお祭りに行こう!」
 メロちゃんは視線を下に向け、不安そうに父か消えた方を見た。
「あー、ハルカ、うちにガキの浴衣があるから着せてけ。着替えがもうないらしいから、その間に洗濯させる」
 さすがのジジイも友人の孫を哀れに思ったらしく、いつもよりも世話焼きだ。懐いてくれたし、親友の孫だし、可愛くなったんだろう。
 メロちゃんは浴衣と聞いて少し顔を上げて指をくわえた。
「めろちゃん、浴衣着たい?」
「……う、うん」
 やっぱ女の子だな。可愛いわ。
「よし、たーぷっり可愛くしてもらおうねぇ」
 私はメロちゃんを抱っこして、おばさんにグル君への伝言を頼み、速やかに険悪な雰囲気の家を離れた。
 子供は軽いなぁ。弟も昔はこんな風に軽くて可愛かったのに、今ではでかくなってしまって……。
「はぁ……あ、ハルナも浴衣着せてもらいなよ。たぶんとってあるよ」
「え、でも、私着付け……」
「私がやったげるよ。浴衣なら何とかなるから」
 振り袖を着付けてと言われたら、トキに電話予約するしかないけど、浴衣の着付けはトキんところで習った。


backmenunext

個人的な事ですが、夕張メロンが大好きです。
誤字の報告はこのフォームからお願いします


魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑 (一迅社文庫アイリス) 魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑
7/18発売
盗まれた〈天使の書〉の噂を聞きつけてメイザス魔道書店にやってきたジールは、奴隷にのようにこき使われている天使達と出会い、〈天使の書〉を買い戻すために書写師として働くことになる。ジールにだけは優しい悪魔の如き美貌と性格と能力を持つ店主と、天使のような(見た目の)少女の魔道ファンタジー。

2010/06/08   推定家族   773コメント 10     [編集]

Comment

 

とーこ5926     2010/06/08   [編集]     _

本当に偶然なんだけど母が明日メロン刈りに行く。
でも母は、安いメロンは舌が痺れて嫌いだという。
だから昔は、我が家では夕張メロンしか食べなかったらしい。
現地に住んでいる知り合いから、毎年送られてきたそうな。
だから私はメロン好き。

-5927     2010/06/08   [編集]     _

私の友達に「ゆり」が変化して「うり」ってあだ名になった子がいますよ~
呼ぶときはうりぼうみたいで可愛いですよ
「うり、うりっ」て

ネクロス5928     2010/06/08   [編集]     _

高校の同級生でユリカが変化を得まくってウニと呼ばれてる娘がいたなぁ・・・

-5929     2010/06/08   [編集]     _

どうしてそうなった……↑

-5930     2010/06/08   [編集]     _

友達にユリカであだ名がウリっていますよー
うりって可愛いと評判のあだ名だったんですが(笑)

ていこ5931   だっちゃ   2010/06/08   [編集]     _

私も友達に「ゆり」のつく子が三人いたので、それぞれ「ゆーちゃん」「うりちゃん」「ゆりりん」と呼んでいました。「ゆり」→「うり」は割とメジャーなんでしょうか?


あと知り合いの妹にライムちゃんがいました。お姉ちゃんはかなり古風な名前なのに何故なんだろう。漢字で当て字だったのですが、衝撃すぎて憶えていません。
あだ名はラムちゃんでした。

とーこ5932     2010/06/08   [編集]     _

ユリからの派生なら可愛い感じがしますね。
ハルカさんのは明らかに瓜なので、意味的にちょっと可哀相です。

-5933   管理人のみ閲覧できます   2010/06/09   [編集]     _

このコメントは管理人のみ閲覧できます

-5934     2010/06/09   [編集]     _

タグが詐騎士になってますよ~

kiko8935     2012/06/09   [編集]     _

私の近所ににあろう君ってこがいますよ。漢字は忘れちゃいましたが・・・


Pass:   非公開:    

.

最新記事のRSS

.

更新履歴 カテゴリ コメント

.

.

拍手

.

リンク

.



.

.

.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。