白夜城ブログ

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魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑 (一迅社文庫アイリス) 魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑
7/18発売
盗まれた〈天使の書〉の噂を聞きつけてメイザス魔道書店にやってきたジールは、奴隷にのようにこき使われている天使達と出会い、〈天使の書〉を買い戻すために書写師として働くことになる。ジールにだけは優しい悪魔の如き美貌と性格と能力を持つ店主と、天使のような(見た目の)少女の魔道ファンタジー。

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「ハルカさん、昨日届いた漫画貸して」
 私の部屋には最新のゲームと漫画がどんどん増えていっていることを知ったイトコが話しかけてくる。いつも通販を利用するから気づかれた。
「宿題やったの?」
「うん。学校で済ませてきた」
「そんなんでいいの?」
「分担作業。勉強会兼ねてる。分からないところを教え合ってるんだ」
 部活動もしてないのに帰るのが少し遅い気がするのは、遊んでいるばかりが原因ではないって事か。てっきり買い食いでもして、小遣いをどんどん使っているのかと思ってたよ。
「はいいけど、進学校なのについてけるの? レベル高いはずでしょ? 塾も行ってないのに……」
「俺、テストはいいんだ。先生はテストさえよければ何しても何も言わないし」
 テストだけは出来るという、要領の良すぎる人間がたまにいるが、こいつのことらしい。
 どんな勉強方法しても、成績に響かないならいいんだけどね。いつ勉強しようとも、勉強してるんなら。塾に行くかと聞いてもこの男が行かないと言うからには、本当に行く必要を感じていないのだろう。黙々と勉強する方がいいってタイプなんだと思っておく。
「昨日読んでたって、どれ?」
「新しいやつ」
「昨日発売日の漫画いっぱいあんだけど」
「…………ハルカさんの部屋見たい」
「いいけど」
 立ち上がり、趣味部屋に通してやる。
 壁一面の漫画と小説。ゲーム用のテレビ。片隅には私のトレーニングマシーン等。で、アコーディオンカーテンで仕切った向こう側は私の仕事部屋。
「……リビングのテレビより大きくない?」
「これは自分で買ったからね。ビデオ見るときもいいよ」
「ビデオ?」
「や、DVDだけど。ビデオはもう壊れてさ」
「アニメとホラーばっかじゃん」
「だってそれ以外おもしろいと思わないし、わざわざ買わないから。どうせテレビでやるような映画のビデオ欲しいと思う?」
「確かに……」
 だから有名どころは買わない。レンタルしてこれるようなのを買う意味がない。
「でもね、問題があるんだよ」
「何が?」
「ここでホラー見たり、ホラーゲームやるとベッドに行くのが怖くってさぁ」
「へぇ、ハルカさんでも可愛いところあんだ」
「…………」
 睨み付けると、イトコ殿は当初の目的を思い出したらしく、漫画区域の本棚を見る。
「……普通の少年誌系ばっか。女の人が好きそうなのは読まないの?」
「恋愛色が薄いコメディとかなら見るよ。いかにも少女漫画ってのは弟の方が好きだった。レディコミは絵柄が嫌い」
「…………ハルカさんみたいな女の引きこもりって、もっと変な漫画読んでるんだと思ってた」
「変なのって、野郎の絡み合いとか? というか、引きこもりって何、引きこもりって。
 君ね、毎日新鮮な野菜食べてるし、弁当食べてるでしょ。あれはどこで買ったと思ってるの」
「……あれ、宅配じゃないの?」
「近所のスーパー」
「惣菜?」
「全部手作り。まあ、弁当には業務用スーパーで仕入れてきた冷凍食品も混じってるけどねぇ」
 前日の残り物だけではなく、揚げ物やら卵焼きやら野菜を入れてやっているのに、失礼な。見て分かれよ。帰ってきたら即スエットに着替える私も悪いかも知れないけどさ。
「俺、てっきりオタクの引きこもりかと……仕事ってのも、同人誌とか売ってるのを言っているのかと……」
 このガキは、人をなんだと思っているんだ。
「私はただのアニメと漫画とホラーが好きなだけ。ったく」
 世の中は偏見が多くて困る。手の付けられないほどのオタクと、ただ好きなだけの人間を一緒にしてはいけない。私は保存用とか買わないし、他人が何に触れても怒らない。ただの金かけた時間つぶしである。有名作品はレンタルで読むし、集めるのは何度も読み返したいのと、今買わないと絶版になるマイナー作品のみ。
「あ、そういや録画予約してないや。んじゃ好きなのもってきなよ」
 私は夜しっかり寝るので、深夜アニメは全部予約である。夜更かしは美容に悪いから。

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魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑 (一迅社文庫アイリス) 魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑
7/18発売
盗まれた〈天使の書〉の噂を聞きつけてメイザス魔道書店にやってきたジールは、奴隷にのようにこき使われている天使達と出会い、〈天使の書〉を買い戻すために書写師として働くことになる。ジールにだけは優しい悪魔の如き美貌と性格と能力を持つ店主と、天使のような(見た目の)少女の魔道ファンタジー。

2007/08/14   推定家族   72コメント 0     [編集]

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