白夜城ブログ

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
誤字の報告はこのフォームからお願いします


魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑 (一迅社文庫アイリス) 魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑
7/18発売
盗まれた〈天使の書〉の噂を聞きつけてメイザス魔道書店にやってきたジールは、奴隷にのようにこき使われている天使達と出会い、〈天使の書〉を買い戻すために書写師として働くことになる。ジールにだけは優しい悪魔の如き美貌と性格と能力を持つ店主と、天使のような(見た目の)少女の魔道ファンタジー。

--/--/--   スポンサー広告     [編集]

5

 今、エンダーはコアトロと競り合っている。
 本当に仲が悪いらしくて、嫌がらせのようにエンダーが欲しがる物の値段をつり上げるのだ。
 ノイリは右前方に座るその闇族を睨み付ける。
「コアトロさん嫌いです。邪魔ばっかり」
 先ほどもしてやったりと振り返って笑っていた。嫌味な男だ。大嫌いだ。
「本当に困ったお人だよ。ノイリを手に入れられなかったのが、ますます惜しくなったのだろうなぁ。ノイリは近くで見るとより可憐だ。ここは照明も強いから、ノイリは光り輝いて見えるよ」
 毎日お手入れをしてもらっているので髪も輝いている。泥を塗られた時は驚いたが、泥には美容効果が高い物があるのだ。マルタ達はたまに泥風呂に入り、泥遊びをするのだという。ノイリは楽しそうなので一度やってみたいと思った。
 ここは広くないので、翼は畳んで目立たないようにしているが、翼にはきらきらする石のついた飾りもついていて、光を受けると輝く。光り輝いて見えても仕方がない。
「む、来たな」
 エンダーが呟いた。
 妖族の男だ。小人のようでとても可愛い。彼の後ろにノイリより少し年上の、着飾った闇族と竜族がついている。
「あれは何ですか?」
「デザイナーだよ。お前さんのドレスはみんな、彼の師匠の作品なんだ。ノイリに似合うドレスをたくさん作ってくれるだろうな。あの時は無理に着もしない上に似合わないドレスをたくさん作らせてしまったが、ノイリは似合うからな」
 買い取るつもりなのだ。
 ラクサの可愛いドレスは去年ノイリが着ていたサイズが一番多く、もう一年もすれば着られるドレスが少なくなる。
「デザイナーもお前ほど美しい娘の服をデザインできるなら、やる気も出よう」
 エンダーはとてもやる気で競りに参加した。
 コアトロが邪魔をするかとノイリは身構えたが、不思議な事に今回だけは邪魔をしなかった。
「どうして邪魔をしないんでしょう?」
「基本、子供服だからなぁ。美術品と違って嫌がらせにしかならんのだよ。買うつもりもないのに嫌がらせで値をつり上げるのは禁止されておるから、さすがにやらんようだなぁ。あからさまな事をすると、出入り禁止にされる」
 なるほど、とノイリは頷いた。
 その間にも競りは続いているが、すぐに諦めてエンダーが落札する事になった。
「皆、お前さんがあまりにも可憐だから、すぐに諦めてしまったよ」
「どうしてですか?」
「わしがどうしても競り落としたいと分かっているからだよ。嫌がらせの類にしかならん。安くすんでよかったよ。デザイナーにも払わねばならないからな」
「そうなんですか?」
「ああ。これから払うのは、このオークションに払う手数料のようなものだ。独占できるなら惜しくはないよ」
「そうなんですか」
「ノイリは今やインカータの名物だからな。ノイリが着飾るのは、皆のためになるんだよ。さて、他に欲しい物もないし、会いに行くか」
「はい」
 可愛い服を作る、ノイリと背丈が変わらない、小人のような可愛い男の人。
 話をするのが楽しみだった。

backmenunext
誤字の報告はこのフォームからお願いします


魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑 (一迅社文庫アイリス) 魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑
7/18発売
盗まれた〈天使の書〉の噂を聞きつけてメイザス魔道書店にやってきたジールは、奴隷にのようにこき使われている天使達と出会い、〈天使の書〉を買い戻すために書写師として働くことになる。ジールにだけは優しい悪魔の如き美貌と性格と能力を持つ店主と、天使のような(見た目の)少女の魔道ファンタジー。

2009/08/05   窖のお城   536コメント 0     [編集]

Comment

 

Pass:   非公開:    

.

最新記事のRSS

.

更新履歴 カテゴリ コメント

.

.

拍手

.

リンク

.



.

.

.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。