白夜城ブログ

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
誤字の報告はこのフォームからお願いします


魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑 (一迅社文庫アイリス) 魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑
7/18発売
盗まれた〈天使の書〉の噂を聞きつけてメイザス魔道書店にやってきたジールは、奴隷にのようにこき使われている天使達と出会い、〈天使の書〉を買い戻すために書写師として働くことになる。ジールにだけは優しい悪魔の如き美貌と性格と能力を持つ店主と、天使のような(見た目の)少女の魔道ファンタジー。

--/--/--   スポンサー広告     [編集]

43


「何もあんなに怒る事ないのにねぇ」
「なんでそんなに昔の事いやなんですか?」
 デブって苛められていたっぽいけど、痩せて今の体型を手に入れたハルカさんは、そいつらをデブ、ガリ、幼児体型とイジメ返したらしい。

「ほんと、ハルカちゃんは難しいわ。この頃は女の子らしくって可愛かったのに」
「ハルカさんってどんな子供だったの?」
「良くも悪くも普通の子よ。
 苛められて歪んじゃったのね、きっと。私もその頃は悩みがあって、気づけなかったのよねぇ」
「悩み?」
「男の子を好きになっちゃって」
 そりゃ悩むよ、うん。それは悩む。しかも女の子も好きな人だから、どっちなんだって悩む。きっと俺も悩む。
「で、気づいた頃にはああなってたのよねぇ。食べる量が減って、激やせしたのは気付いてたけど、クラスが離れてて、階が違ったら分からなかったの」
 そうなんだ。クラスが離れると、友達でも気付きにくいってのはあるな。
「ショックだったのは、私の好きな男の子が、痩せたハルカちゃんに告白したのよね」
 なんて残酷な現実……。
「胸はそのままで痩せたから、同年代に比べたら大人っぽいっていうか、エロい体つきでしょ。美容の為の本格的なダイエットしているハルカちゃんは、腰のくびれとかさ、他の子に比べて。水泳の時期はそれがはっきりと分かるって言うか。
 挙げ句の果てに、どんな生活したらそんなくびれのない身体になるか教えて、真似しないようにするからとまで言ってもデブだったクセにって反論しかこなかったぐらい」
 なんて色々残酷な……。
 ハルカさん、敵対した相手を追い詰めるの好きそうだもんなぁ。やられた事は倍返しされても仕方がないと思うし、同情はないけど。
「でも、ハルカさん、告白なんてされた事ないって言ってたような……」
「イジメの一種だと勘違いしてぼろくそに振ったらしいわ」
「は?」
「ほら、たまにいるじゃない。ゲーム感覚で告白ごっこする奴。ハルカちゃん、苛められてた時に、それもやられてたらしくって。
 本気だったのに、クズ呼ばわりされて完膚無きまでに振られた彼は、その諸悪の根元の男子のグループをかなりひどいイジメで転校させちゃったんだけど」
「マジで」
「八つ当たりね。私は涙を飲んでそんな彼を慰めてたら、ハルカちゃんが私をいじめっ子の仲間だと勘違いして一年以上口聞いてもらえなかった。切なかったわぁ」
 踏んだり蹴ったりだ。トキさんもきっと悩んだんだろうなぁ。俺、友達にそんな風に勘違いされたら立ち直れない。
「でも、どうやって仲直りしたんですか?」
「素直に男の子が好きなのって言ったわ」
「どんな反応で?」
「さすがに絶句してたわ」
 ハルカさんでも驚くか……。
「で、高校の推薦が受かって余裕が出て、女の子とつきあい始めたら、すごく怒って」
「怒ったんですか?」
「そりゃあ怒るでしょ。私が嘘をついていたか、誤魔化す為に好きでもないのにつきあっているか。どちらでも人としてはちょっとあれでしょ。
 で、女の子も好きなのって告白したの。
 蹴られたわ。馬鹿らしいって」
 まあ、ハルカさんの気持ちは分からないでもない。
「で、それから高校で同じクラスになって仲直り。仲直りって言うか、私が一方的に付きまとってただけだけど。誰とも話をしないし、仲良くなろうとしてなかったから」
 頑張ったそうだ。
 無駄だったけど。
「本当に、あの時に私が気付いて助けてあげていれば、あんなにばっさりな性格にもならなかったかも知れないと思うと、もう後悔の念で……」
 ガラっ、と隣の納戸から音がした。
「よくもっ」
 ハルカさんが出てきた。あんまり出てこないからつっかえ棒で閉じこめたのに。
「ハルカさん、どうやってつっかえ棒外したの?」
「隙間から紙でがんばってはずしたっ!」
 すごいな紙。頑張ったな、紙。
「もう、お前さっさと帰れっ!」
「だめよぉ。可哀相なハルト君に朝ご飯とか作らなきゃ。泊まっていくわぁ」
「うざい。たまには自分でどうにかすればいいの。家ならラーメンでも卵がけご飯でも食べて、学校は弁当とかはコンビニで菓子パン買えばいいの」
「だってハルト君」
 トキさんに肩を叩かれた。
 いつもハルカさんの手作り弁当だから、みんな驚くだろうな。
「ハルカさんの手料理好きなのに……」
 好きな人の手作り弁当なんて、嬉しくない男なんていない。
 なんて言ったら、ハルカさんは照れて本気で弁当無しになりそうだから言わない。告白はもっと先の話だ。
「あ、あのね、ハルカさん。俺、ハルカさんにクズって言われないちゃんとした男になるから」
 ハルカさんのために、ちゃんとした男になる。ちゃんと家庭を持てて、家庭を守れて、ちゃんと見守れる男になる。
「もう、なんて可愛いのっ! よし、お兄さんが美味しいお弁当をつくってあげるからね」
 同性が作った弁当って微妙だなぁ。だったらコンビニ弁当でもいいやって気になる。購買のパンはけっこう美味しいし。
「ああ、もう、弁当作るから帰れ。変な事吹き込むな」
「変な事なんて……私達の青春じゃない。まあいいわ。ハルト君、お兄さんは帰るから」
 トキさんはハルカさんがお土産に渡した漬け物を手に帰って行った。

backmenunext




くびれと言えばフラフープ。回しやすい奴らしい。
物心ついた時から遊んでたから、回せない人の気持ちが分からない
誤字の報告はこのフォームからお願いします


魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑 (一迅社文庫アイリス) 魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑
7/18発売
盗まれた〈天使の書〉の噂を聞きつけてメイザス魔道書店にやってきたジールは、奴隷にのようにこき使われている天使達と出会い、〈天使の書〉を買い戻すために書写師として働くことになる。ジールにだけは優しい悪魔の如き美貌と性格と能力を持つ店主と、天使のような(見た目の)少女の魔道ファンタジー。

2009/06/23   推定家族   503コメント 5     [編集]

Comment

 

重虎3086     2009/06/24   [編集]     _

ハルカさん予想以上に苦労してたんですね;

嘘告白ってされるとものすごい悲しくなるんですよね・・・

G.G.3088     2009/06/24   [編集]     _

ハルカさん、別の意味で恋愛経験が少ないのか……
どうやらハルトでもハルカさんが攻略可能になってきた感じです。まあ、0%が5%位になっただけでしょうが。

-3089     2009/06/25   [編集]     _

なんともまぁ…………

-3090   管理人のみ閲覧できます   2009/06/25   [編集]     _

このコメントは管理人のみ閲覧できます

-3091     2009/06/25   [編集]     _

紙でつっかえ棒を外したハルカさん...流石ですvでも本当に………紙、頑張りましたね(´ー`)q偉いぞ、紙様(笑)!!


Pass:   非公開:    

.

最新記事のRSS

.

更新履歴 カテゴリ コメント

.

.

拍手

.

リンク

.



.

.

.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。