白夜城ブログ

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魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑 (一迅社文庫アイリス) 魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑
7/18発売
盗まれた〈天使の書〉の噂を聞きつけてメイザス魔道書店にやってきたジールは、奴隷にのようにこき使われている天使達と出会い、〈天使の書〉を買い戻すために書写師として働くことになる。ジールにだけは優しい悪魔の如き美貌と性格と能力を持つ店主と、天使のような(見た目の)少女の魔道ファンタジー。

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40  ご馳走になった日の翌日、いつものように固まって弁当を食べながら、昨日のことを話していた。
「ハルカさんにストーカーか。なんて無謀な」
 友人が言う。
 彼らは何度もハルカさんに会っているから、あの人の性格をある程度理解している。ハルカさんは分かりやすいと言えば分かりやすいから。
「もっと大人しそうな相手を選べばいいものを」
「あんなきつそうな人、よくまあ財産目当てで」
 なんかひどい言われようだ。
「でも、ハルカさんはけっこう優しいよ」
 気は強いし突き放したような態度をとる時もあるが、頼られたら助けるいい人だ。
「そりゃ知ってる。小森と文通してやってるぐらいだし」
「ハルカさんはいい人だけど、バッサリした性格は少し見れば分かるし」
「財産目当てなんて無駄無駄無駄ァって感じだよな」
 そうそう。普通に格好いい金持ち相手でも態度も扱いは大して違わないだろうし。財産目当てのちょっといい男程度は、近づくのも無駄である。
 本当に好意を持って近づいても無駄なんだから。
 それがハルカさんだ。
「でも、ハルカさんってけっこう無防備なところあるから心配なんだよなぁ」
「どこが?」
「例えば、スポブラとかので家の中うろついたり、宅配便取りに出たり」
 ヘソ出しタンクトップとどう違うんだと聞かれたけど、やっぱり違うと思うんだ。もしも相手が悪い人だったらどうするんだ。
「よし、次の勉強会はハルカさんちで」
 俺は下心見え見えの友人達を睨んだ。
「ふだんは服着てるよ。梅雨に入ってまた寒くなったし」
 下着姿なのは、せいぜい風呂上がりぐらいだ。目のやり場に困るから、風呂に入り始めたら、さっと夕飯の後片付けをして、出来るだけ速やかに部屋にこもる事にしている。
 ハルカさんも、年頃の少年と同居している自覚が欲しいところだ。
「夏休みだな。夏休みに、勉強合宿だな」
「だから、ハルカさんだって客が来たら服着るよ」
「ハルトだけズルい!」
 ズルいって。
「無茶苦茶な事言うなよ。俺だってマジマジと見ないよ」
 ハルカさんは下着姿でナチュラルにくつろぐし、気にしてる俺が馬鹿みたいだけどさ。
「なんでだよ。嘘付け」
「そーだ。相手が姉貴とかいうならともかく、出会って半年の他人と言ってもいいイトコ達だぞ。結婚も出来るのに、何を遠慮する必要があるっ! 俺もそんなハーレムフラグが欲しいっ!」
「あるかよ、そんなフラグ!」
 あの可愛いハルナちゃんまで含めるとは、ゲーム脳恐るべし。
 こいつが俺よりも頭がいいってのが納得できない。俺よりもどころか、校内でトップ争いしてるんだから、まったくもって納得できない。
 塾も行ってないのに、成績を上げてる俺の方が信じられないとか言われるけど、それは他人に教えられるよりも、一人でコツコツ勉強する方が向いているタイプだからだ。大学受験対策の通信教育始めたし、分からない事は先生に聞きにいったら喜んで教えてくれるし。
 とくに物理と英語の先生は女の人だから、可愛がってくれている。ばあちゃんが死んでから、先生達はなんかすごく親切だ。ちゃんと毎日弁当を持ってきているのを見て、安心したりと、何かと気にかけてくれている。
「ああ、もったいない。顔か。顔がいいから余裕があるのか」
「だから、ハルカさんとハルナちゃんでへんな妄想すんなっての」
「じゃあ、ハルナちゃんを、ハルナちゃんを紹介してくれ。何もしないから。何もしないからっ」
 嘘くさい気もするし、手を出す度胸もなさそうな気もする。
 ハルナちゃんは奥手だけど、断る時ははっきりと断るようで、入学してそれほどたっていないのに、ごめんなさいされた奴が何人かいるらしいから、一度ごめんなさいしてもらった方がいいんだろうかとも思う。
「でもさ、ハルナちゃん、マジ可愛いよなぁ」
「俺はハルカさんだな。ああいう気の強いタイプ、落としがいがあるよなぁ」
「絶対に紹介なんてしないからな。ハルカさんなんて問題外だ。ハルカさんだけは絶対にダメだ」
「ハルナちゃんじゃなくて、ハルカさん? ハルカさんこそほっといても大丈夫だろ」
 みんな首をかしげる。
 ハルナちゃんは気が弱そうに見えるから、俺の紹介は断りにくくなると思われてそうだけど、ハルカさんは誰に紹介されても断るのはみんなわかっている。
「ほら、この前、高校生と付き合ってた人が捕まったから」
 相手が女の子ならともかく、男だったのに。
「ああ、あれか。ほっとけって感じだよな」
「なるほどな。ハルカさんを犯罪者にするわけにはいかないしな」
「ってか、今までの彼女は?」
「まさか未成年ってだけで恋愛でもダメだとは思わなかったから」
 まさかまさかだった。好きになるのに年齢なんて関係ないし、高校生は小さな子供でもない。本人の自由だと思っていた。
「でも、結婚前提ならいいんだろ。お前結婚する気満々だっただろ」
「え、そうなの?」
 どっちにしても、別れちゃったからもう遅いけど。
「そっか。結婚前提ならいいのか……」
 犯罪じゃなかったの事に安心した。
「なんだよ、嬉しそうだな。ついにハルカさんを落としにかかるのか?」
「マジでぇ? なんかフラグ立てたのか?」
「ないない、そんなんあるはずないだろ。んなもの、ハルカさんの前では踏みつぶされるに決まってるだろ」
 みんな人事だと思って好きなこと言ってやがる。
 ハルカさんも俺もギャルゲ世界の人物じゃないと何回言わせる気だ。
「予言するね。大学卒業して、独り立ちと称して追い出されるこいつの姿を」
 ひどい。追い出されるなんて……このままじゃ追い出されるけど。
「で、でも、ハルカさん、俺がハルカさんの知ってる有名大学受かったら結婚してくれるって言った」
「…………」
「だから俺、頑張って勉強して上の大学目指してるんだぞ」
 毎日通信教育で頑張り、夏休みは夏期講習の予定。
 恋人なら、別れる事もあるけど、結婚したらそうそう別れないし。だから追い出されないように、頑張って結婚してもらえる男になる。
 なぜか、沈黙が落ちる。
「……冗談だろ」
「でも約束したし」
「ハルカさんは冗談でした約束で結婚を迫られるのか」
「でもこの前、ハルカさんにさっさと結婚して出てけって言われた」
 傷ついた。出て行かなくてもいいようにするには、やはりハルカさんと結婚するしかないだろうと結論づけた。
 ハルカさんは見た目もけっこう好みだし、スタイルもいいし、大好きだし。
 今食べている弁当だって、ハルカさんが朝早く起きて作ってくれた物だ。昨日は外食で残り物がなかったから、寝る前に下ごしらえをしていた。
 肉の入った野菜炒めに、ほうれん草のおひたしに、冷凍されていた物だが、ハルカさんが作った魚フライ。添えられた漬け物は、ハルカさんがずっと育てているというぬか漬け。育てていると言っても、自動でかき混ぜてくれるぬか床だ。今は手動しかないから、壊れたらどうしようと前に言っていた。
 そんなハルカさんが大好きなのだ。
「でもいきなり反則ショートカットでゴール地点を目指すなよ」
「じゃあ、正攻法で玉砕しない方法があるとでも? あったらハルカさんは誰か……トキさんとか常盤さんと付き合ってるよ。ハルカさんの回り、普通にハルカさん狙ってるイケメンいんだからな」
 常盤さんの方は、普通に振られ済みだ。
「…………すまん。ないな」
「というわけで、俺はどうしても有名大学に行きたいんだ」
 俺の本気をわかってもらうには、ハルカさんがビックリして、自慢もできるような大学に入るしかない。悪名高くてビックリするような大学じゃ、ハルカさんが知ってる大学でも意味ないし。
 俺にとってレベルの高い有名大学を狙うことにマイナスは一つもないし、一石二鳥とはまさにこの事だ。

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魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑 (一迅社文庫アイリス) 魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑
7/18発売
盗まれた〈天使の書〉の噂を聞きつけてメイザス魔道書店にやってきたジールは、奴隷にのようにこき使われている天使達と出会い、〈天使の書〉を買い戻すために書写師として働くことになる。ジールにだけは優しい悪魔の如き美貌と性格と能力を持つ店主と、天使のような(見た目の)少女の魔道ファンタジー。

2009/04/17   推定家族   459コメント 9     [編集]

Comment

 

-2708     2009/04/17   [編集]     _

ハルト君、本気だったんですね。
でも、恋とか愛とかっていうよりも、捨てられたくない子どもみたいでちょっとほろりと来ました。


大学入試の結果が出る前に、ハルカさんが電撃結婚して落ち込むハルトに1票(ぇ

ヤカエ2709   ハルト…   2009/04/17   [編集]     _

性格とか容姿とかの誉め言葉より料理のことのほうが文字数多い(笑)
すっかり餌付けされたようで

rinya2710     2009/04/18   [編集]     _

餌付けは効果でかいですよね。
料理以外の家事ならするから、私も一緒に住みたいくらい。

からす2711     2009/04/18   [編集]     _

ハルカさんの電撃結婚って・・・(笑)

じゃあ私はハルカさんの知ってる有名大学がT大オンリーに一票。
頑張れ!ハルト!

-2712     2009/04/18   [編集]     _

うわあ、つっこみ所満載ですが、とにかくハルト君がんばれー…?

-2713   えっと   2009/04/18   [編集]     _

俺の紹介は断りにくくなるとお壊れそうだけど は 思われそうだけどだと思います。

-2714     2009/04/18   [編集]     _

推定の目次から40に行くと、違うページが表示されてしまいます…。

ハルトくん、本気?(笑)

-2842   管理人のみ閲覧できます   2009/05/10   [編集]     _

このコメントは管理人のみ閲覧できます

-2843     2009/05/10   [編集]     _

推定の続き読みたいです><


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