白夜城ブログ

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魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑 (一迅社文庫アイリス) 魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑
7/18発売
盗まれた〈天使の書〉の噂を聞きつけてメイザス魔道書店にやってきたジールは、奴隷にのようにこき使われている天使達と出会い、〈天使の書〉を買い戻すために書写師として働くことになる。ジールにだけは優しい悪魔の如き美貌と性格と能力を持つ店主と、天使のような(見た目の)少女の魔道ファンタジー。

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2  ノイリは図書館に来ていた。
 本当はエンダーの見合いについて行きたがったが、ノイリを見せるのは親しくなってからの方がいいらしい。ノイリのような魔族型を連れていては、変な誤解を生むのだと、ヘイカーに言われた。
 エンダーの嫁を見定めるつもりだったのに、大誤算だった。
 ノイリは落ち込み、ニアスまで図書室についてきてくれた。マルタは息子と一緒にいられるので喜んでいる。
「ニアス様はお見合いに行かなくていいんですか?」
「俺が行ってどうなる? 仲人のエスティーダ様とラクサがいるから問題ない。俺がいると逆にぶち壊しになる」
 ニアスは本のページをめくりながら、少し不機嫌そうに言う。
「どうしてですか?」
「女王陛下は、よりによって兄貴の昔に近い絵を女達に見せたらしい」
「格好良かった頃の?」
「そうだ」
 エンダーは痩せて鍛えれば格好いいのだ。なのに太っているから格好悪い。竜族の事はあまり分からないノイリが見ても、そう思うのだ。ちょっと太りすぎている。
「しかも俺の兄だからって、俺を基準にして見るからな。並ぶとさすがにまずいだろう」
 ニアスは女の人によくもてる。エンダーはもてない。
 そんな二人を並べておくと、見た目だけならニアスの方を好きになってしまう。エンダーがノイリにしてくれたように、とても優しくしてくれるなんてことを、彼女たちは知る機会などなさそうだから。
「エンダー様、気に入っていただけるでしょうか」
「持ってる地位と金だけは気に入ってもらえるだろうが、兄貴はそういうのに敏感だからな」
 エンダーはとても賢いから、そういう女は見分けられるのだ。エンダーはそういった事に妥協をしない。できない。だから結婚できないのだ。
 彼は優しいが、頑固である事はノイリも知っている。
「兄貴も過敏になってるからな。自分から逃げる女の方が信用できるって風になっている」
「エンダー様、本当に結婚できるんでしょうか」
 逃げる女の方がいいなど、本末転倒だ。相思相愛がいいに決まっているのに、目指すところがそんなに違うのでは、理想の花嫁は手に入れられない。
「あいつは自業自得だ。ストレスを食って発散させるなって、何年言い続けた事か」
 ニアスも大変だ。
 ノイリは自分がどうすればいいのか考えあぐむ。
「まったく、少し痩せればいいのに」
「歩いても、それを補うように食べる量も増えちゃいました」
「すまないな、ノイリ。まったく馬鹿兄貴は……」
 二人でため息をつく。
 マルタが用意してくれた、もう冷めてしまったお茶を飲む。
「まあ、金目当ての女でも、子供さえ出来ればそれでいいんだけどな」
「そうなんですか?」
「跡取りが必要なんだ。俺もラクサも軍人だから、結婚や子孫を残すのは二の次だから、兄貴に頑張ってもらわないといけないんだが……。
 ノイリに言っても難しいか」
「そんなことないです」
 ちゃんと分かる。
「でも、子供だけ出来ればいいっていうのは、寂しいです」
「一般人だとそうだな。これは王の義務だ。俺が王になっていたら、同じ義務を負っていた」
 エンダーは大変だ。
「その分、ノイリが慰めてやれ。可愛い女の子に慰められれば気も晴れる」
「は、はい」
 エンダーに可愛いと言われるのはいつもの事だが、ニアスに言われると嬉しい。
「ニアス様は、結婚しないんですか?」
「兄より先に結婚はないな。相手もいない」
「そうなんですか」
 ノイリは嬉しくて笑う。
「俺が先に結婚しないのが嬉しいのか?」
「違います。男の人が結婚すると、あんまり家に帰ってこなくて寂しいって、メイドさんが言ってました」
 ニアスがくくっと笑う。きっとニアスが結婚したら、エンダーだって寂しくなる。
「ところで、カルティとマルタ、二人ともそんなところで何をしているんだ?」
 ニアスが本棚に隠れてこちらを見ている二人に声を掛けた。二人は隠れていたのに見つけられておろおろしていたが、先に落ち着いたカルティが咳払いをしてこちらに寄ってきた。
「邪魔をしては可哀相だと母が言うので」
「何が可哀相なんだ?」
「いや、ほら、女の子は好きな男と二人きりになりたがるじゃないですか」
「それは、また違うと思うぞ?」
 ノイリもきょとんとしてカルティを見た。
「ニアス様は大好きだけど、どうして二人きりになりたがるの? 人数が多い方が、お茶を飲むのは楽しいのに」
 みんな一緒だと楽しいのに、そんな風に思われる理由が分からなかった。大人同士の難しい話しでもないので、口を挟まれて困るような事ではない。周知の事実しか話していないのだ。
 そんなときだった。
「ちょっとカルティ」
 静かな図書館に女の子の声が響いた。
「意図的にニアス様を女と二人きりにしようなんて、どういうつもりかしら」
 リズィだ。赤いリボンがとっても可愛い、白猫のリズィ。
「リズィ、こんにちは。今日も可愛いです」
「こんにちは、ノイリ。相変わらず怒るのも馬鹿らしくなるほどマイペースね」
 ノイリはよくマイペースだといわれる。
 ちゃんと他人に会わせて行動しているのに、なぜそういわれるのかノイリにはよく分からなかった。
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2009/01/29   窖のお城   392コメント 7     [編集]

Comment

 

とーこ2134     2009/01/29   [編集]     _

タイトルは見合いなのに、見合いの場面がない見合いです。

社怪人2135   ノイリにぶっ   2009/01/30   [編集]     _

これが6年後にはお母さんになってるんだから…
コドモがコドモを産みましたになる?

lou2136     2009/01/30   [編集]     _

ノイリの将来のだんな様はいったいどなた?なのかしら??
ここから6年後。長いなぁ~

N2137     2009/01/30   [編集]     _

エンダー様の見合い相手も気になりますが、
ノイリの旦那様も気になってしょうがないです。

-2138     2009/01/30   [編集]     _

 「エンダーの嫁を見定めるつもりだったのに、大誤算だった。」なんだがノイリがるーちゃんに似て黒くなってきたような・・

-2139     2009/01/30   [編集]     _

気を使ってるマルタ親子が可愛い。
ノイリの旦那はニアス様だと嬉しいなぁ。気になる!

-2145     2009/02/01   [編集]     _

下に同じく☆(^_^)v
二アス様推奨~


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