白夜城ブログ

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魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑 (一迅社文庫アイリス) 魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑
7/18発売
盗まれた〈天使の書〉の噂を聞きつけてメイザス魔道書店にやってきたジールは、奴隷にのようにこき使われている天使達と出会い、〈天使の書〉を買い戻すために書写師として働くことになる。ジールにだけは優しい悪魔の如き美貌と性格と能力を持つ店主と、天使のような(見た目の)少女の魔道ファンタジー。

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 天使様、と跪く人間は他にもいた。
 とくに後からやって来た老人は、涙を流してノイリの足下に跪く。
「困ったもんだなぁ」
 エンダーは後ろ頭を掻く。これでは仕事にならない。
「私、お邪魔ですか?」
「そんなことはないよ。ノイリ、頭を上げるように言ってあげなさい」
「はい」
 ノイリは少し下がり、しゃがみ込んで老人のはげ上がった頭を見る。
「おじいさん、頭を上げてください。泣かないでください。私は天族で、天使様じゃないです」
 ノイリが頭を撫でると、老人は少し頭を上げた。しかし目が合うと、またすぐに下げる。
「あうう」
 ノイリはしょんぼりしてエンダーの後ろに隠れた。
「おやっさん、頭を上げてください。ノイリ様がお困りですよ。困らせたくないなら、頭を上げてくださいな」
 トトが彼の背をさすり、慰める。
「あ、あああ申し訳ございません」
 ノイリはその老人がなかなか落ち着かず、仲間に奥へと連れて行かれるのを見てさらにしゅんとした。
「申し訳ございません。彼は若い頃に地下に来たそうなので、とくに信仰心が強いようです」
「若い頃に? 地下生まれではないのか?」
「ええ。ずいぶん前に、四区近くで使い捨てられているところを魔族の方が哀れに思って拾われたのです」
「なるほど。信仰心は道徳を生し、悪い事ではないから、気にする事はないよ。ただ、少しノイリが驚いてしまったな。私も跪かれる事は多いが、あまり心地よい物ではないのだよ」
 エンダーでもそうなのだ。
 ノイリも前からあまり好きではなかった。でもそうされなさいと言われたから我慢していた。
 ノイリだけではないのなら安心である。
「信仰心。よく分からないな」
 ユーリアスが呟いた。彼は信じられる存在が少ないから、翼があるだけであのようになる気持ちが理解できないのだ。
「何事もほどほどがよいが、ノイリのように珍しい姿であれば、驚くのも無理はない。
 さあ、トト、視察を続けよう」
「畏まりました、エンダー様」
 ノイリはもう驚かれないように、エンダーに隠れながら外の様子を見ることにした。
 エンダーの背中は広いから、ノイリなどすっぽりと隠れてしまうのだ。

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2008/12/17   窖のお城   348コメント 1     [編集]

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-1518   管理人のみ閲覧できます   2008/12/18   [編集]     _

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