白夜城ブログ

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魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑 (一迅社文庫アイリス) 魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑
7/18発売
盗まれた〈天使の書〉の噂を聞きつけてメイザス魔道書店にやってきたジールは、奴隷にのようにこき使われている天使達と出会い、〈天使の書〉を買い戻すために書写師として働くことになる。ジールにだけは優しい悪魔の如き美貌と性格と能力を持つ店主と、天使のような(見た目の)少女の魔道ファンタジー。

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5 「確かに、それが可能であれば……」
 エンダーが呟き、顎に触れる。
「どこに目をつけている?」
「いくつか候補は絞りました。うちの上は無理ですね。なまじ姿が近いから、若い女をさらう馬鹿が他所よりも多いらしくて、警戒心が強すぎる。うちも取り締まってるんですが、上ですべて終えられると、証拠もなくてどうしようもなく」
 地下に連れてこない、ということだろうか。
 ではさらってどうなるのだろう。
 ノイリは魔族の考えがよく分からない。
「だから、逆に人間側がしっかりと対策をとっているような国の方が、逆に国もありだと思うんですよ」
「それは……難しいだろう。何を餌にするにしても」
「ここの上にある国は、騎士が国境を越えて協力し合ってるらしいじゃないですか。可能なら、そういうしっかりしたところと取引をしたい。そうすりゃ、上でのさばる連中を全滅させても、物資で困る奴なんていないし、苦情を寄越すのはせいぜいコアトロみたいな奴だけだ」
 良い事だらけだ。そうなったらノイリも嬉しい。
「ただ、邪魔するのもコアトロなんだろうな。だからユリア、さっさとコアトロをどうにかしてくれよ」
「分かっている。
 手があるとしたら、上層部が下の連中とはあまり連携が取れていないというか、把握し切れていないところを突くぐらいしかない」
「例えば?」
 ユーリアスは顎に手を当て考える。
「例えば……ノイリ。そう、彼女をさらってきたのは、コアトロの勢力圏内の連中のようだ。
 しかしコアトロは自分の組織の末端が売った商品を、買い戻そうとしていた。下の連中はコアトロの好みそうな物を献上するという気持ちはないらしい」
「末端を制御しきれてないって事か」
 ユーリアスは頷いた。
 ノイリはさらわれたときのことを思い出す。
 あのウサギに世話されるようになるまでのことは、思い出したくない。
「何年かかるか分からないが、力を削いでいくつもりだ。民間人が係わっている事も多いから、皆殺しという手が使えないから時間は掛かるが」
 民間人が係わっていなかったら、皆殺しという手を使うのだ。ノイリは少し驚いた。
「皆殺しとか考えてる時点で、さすがに俺もちょっと引くから」
「考えるぐらいなら誰でもするだろう。実行すれば人口が半分以下になりかねない。暴動が起きそうだ」
 ノイリはまた驚いた。
 そんなにコアトロの勢力は大きいのだ。
 テルゼも複雑そうな顔をして、手で顔を覆っている。
「コアトロさんは恐い人なんですね。エンダー様でよかった」
「わしもお前があんな男のところに行かなくてよかったと心から思うよ。あやつのところに行っていたら、今ごろ何をされていたか……」
 エンダーに頭を撫でられ、ノイリはその手に擦り寄った。この手が大好きだ。もう少し痩せてくれたら嬉しいが、この手の感触が無くなるのは寂しい気もする。
「見た目ではどう見ても外れを引いているのに、不思議なものじゃ」
「本人がよければそれでいい、の見本ですね」
 エスティーダとラクサがお茶を飲みながらそんな事を言う。
「わらわは見た目も中身も完璧な男がよいな」
「欲がまったくない子供以外は、普通そうでしょう」
「ノイリもそのうち顔で男を選ぶやもな」
「その方が良いでしょう。せめて、普通体型……いえ、肥満気味ぐらいでないと」
 二人は痩せた男性が好きなようだ。
 ノイリもそう思い、一緒に頷く。
「なんじゃ、頷きおって」
「痩せていた方が良いと言う事でしょう。今の方が椅子としては座り心地が良いかもしれませんが」
 椅子だなんてひどい。ノイリはエンダーの膝は大好きだが、抱っこされるのも大好きなのに。
 エンダーがため息をつく。
「女は容赦ないねぇ。エンダー坊主、痩せないといい嫁がこねぇぞ。嫁はいいぞぉ。ただし、口喧しくない嫁は、だがなぁ」
 リウドは手を叩いて笑う。
 見た目は可愛いが、中身はオヤジっぽい。マルタがこういう男はオヤジっぽいのだと教えてくれた。
「そう言わないでください。竜族の女は、ただでさえ気が強いのに……。
 妖族の女性は半分が天然で、うらやましい限りですよ」
 エンダーがノイリの頭を撫でながら言う。
「お前は気の強い女に扱かれた方が良いのかもな」
 奥さんだったらビシバシはダイエット作戦を強行できるのだろう。
 そうだったら、エンダーも痩せて健康になる。
 理想は高く持ってもバチは当たらない。
 ノイリはエンダーに、優しくて実行力のある美人なお嫁さんが来ると良いな、と思った。


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魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑 (一迅社文庫アイリス) 魔道書店の稀書目録 ペンの天使に悪魔の誘惑
7/18発売
盗まれた〈天使の書〉の噂を聞きつけてメイザス魔道書店にやってきたジールは、奴隷にのようにこき使われている天使達と出会い、〈天使の書〉を買い戻すために書写師として働くことになる。ジールにだけは優しい悪魔の如き美貌と性格と能力を持つ店主と、天使のような(見た目の)少女の魔道ファンタジー。

2008/12/12   窖のお城   342コメント 5     [編集]

Comment

 

N1471     2008/12/12   [編集]     _

窖サイドも久しぶりですね。
詐騎士サイドの頃にはエンダー様にお嫁さんきてるかな?
きてないだろうな……たぶん。

1472     2008/12/12   [編集]     _

優しくて実行力のある美人...セクさんなんかぴったり!

社怪人1473   『窖』と『詐騎士』の時間差って…   2008/12/12   [編集]     _

5年ぐらいでしたっけ?

…エンダー多分その間ずっと独身

-1474     2008/12/12   [編集]     _

詐騎士の頃は、少しは痩せたかなー、エンダー様。

とーこ1475     2008/12/14   [編集]     _

巨漢の人は、50キロ痩せてもあんまり変わって見えなかったりしますから、やっぱり巨大なカエルさんのままです。
結婚しているかどうかは、詐騎士でいつか出てくるかも知れません。


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