白夜城ブログ

5
 二人のデートの間、ノイリは留守番だった。何人か護衛を付けているらしいが、とても心配だったのだが、エンダーにだっこされていると、温かくてうとうとして眠ってしまっていた。
 目を覚ますと、誰かの顔が目の前にあった。
「きゃっ」
 飛び上がってエンダーにしがみつく。
「ご、ごめんなさいっ」
 謝られて、よく見てみればデートに行ったはずのリムメルだった。
「び、びっくりしました」
「すまんなぁ。彼女がノイリを見てみたいというものだから」
 エンダー様に慰められて、ノイリはこくりと頷いた。
 少し驚いただけなのだ。
「私なんて見て楽しいですか?」
「ノイリは可愛いから、わしは楽しいぞ。癒される」
 エンダーはノイリを大金を出して買うほど気に入っているので、可愛いと思うのは当たり前なのだ。
 しかし同年代の女の子はどうなのだろうか。
「ノイリ、これから少し難しい話をするから、隣で一緒に遊んでおいで。親衛隊のお姉さん達がいるから」
「はい」
 ラクサ達だろう。女王の身辺警護は女性ばかりだ。男が外を囲み、女が身の回りを囲んでいる。
 リムメルの手を掴んで隣の部屋に行くと、色々な種族の女性が笑顔で迎えてくれた。
 闇族の女性はリムメルの知り合いだったらしく、彼女は声を掛けられて撫でられている。
「ノイリ、よく寝ていたから喉が渇いたろう。水はいるか?」
「はい、ラクサ様」
 ラクサに水をもらう。美味しい水だったので嬉しくて笑っていると、女の人達に撫でられたり、翼をつつかれたりした。その中にはリムメルも混じっている。
「リムメルちゃん、鳥の羽に興味があるんですか?」
 名前を呼ばれて少し驚いたようだが、すぐに笑顔になった。
「うん。私のとぜんぜん違うから」
「地上では闇族のような翼の生き物の方が種類が少ないです。それにこれ、私みたいに重いと飛べません」
「そんなに立派な翼なのに……」
「闇族がそれで飛べるのがとっても不思議です」
 闇族は天族の翼よりも大きいし、天族ほどではないが皆が細身だ。それでも少し不思議だ。きっと天族とは違う仕組みで飛んでいるのだ。
「二人とも、何して遊ぼうか。お姉さん達、さっきから退屈してたんだよ」
「おままごと? それともカードでもする?」
 親衛隊の皆が笑顔で話しかけてくる。
 みんな綺麗な人達ばかりだ。
「カードは地上のものしかやったことがありません。ここにはどんなカードがあるんですか?」
 妹分の女の子が、とっても強くていつも負けていた。
 一緒に遊んで、歌って、ノイリの食事に合わせてくれた子。小さいのに一番頭がよくて要領のいい子だったから、逃げているか、捕まっていても上手くやっているかも知れない。 
 確かめる術はないが。
「普通の子供って可愛いわねぇ」
「本当に、ふんぞり返らない子供って可愛いわ」
「悪巧みもしそうにないものね」
 エスティーダのことだろう。女王だから偉そうにして、賢そうにしなくてはならないのだそうだ。女王という特別なエスティーダばかりを見ていると、普通の子供を見ると彼女が特別なのだと思い知るのだろう。
「リムメル、四区に行ったら大変かも知れないけど、ノイリちゃんに度々会えそうだからよかったわね」
 リムメルと闇族の女性が話す。
 家臣が増えても、ユーリアスはきっと五区に来るだろう。
 彼は区王としてまだまだ未熟で、彼がよく知る先代は見習ってはいけない見本だと言っていたから、エンダーを見習っているからだ。

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2008/06/06   窖のお城   160コメント 4     [編集]

Comment

 

-423     2008/06/07   [編集]     _

癒し系二人組み・・・。(^^)

-424     2008/06/07   [編集]     _

「家臣が増えても、彼は四区に来るだろう。」
五区ですよね?エンダーさまに相談に来るんですよね?

G425   ゲームって…   2008/06/07   [編集]     _

やっぱり例のゲームですよね。
ノイリは強いんかな?
やっぱ弱いだろうなぁ(^^)

-427     2008/06/07   [編集]     _

よかったね、るーちゃん。ノイリが気に掛けてくれて。


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