白夜城ブログ

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2007/10/28   推定家族   54コメント 0     [編集]

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2007/10/27   推定家族   53コメント 0     [編集]

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2007/10/25   推定家族   52コメント 0     [編集]

1

 朝起きたらニアスと並んで眠っていた。
 竜族の男の人は、やはりとても筋肉質だ。エンダーも昔はこうだったのだと思うと、やはりよいお嫁さんが来て欲しい。
 眠そうに欠伸した後、ノイリに背を向けさせてから着替え、パジャマ姿のノイリを抱き上げて部屋にまで連れて行ってくれた。
 部屋に戻るとおろおろしたマルタがいて、ニアスに何度も頭を下げていた。エンダーの部屋に行くと書き置きしていたのに、先に寄った部屋にはいなかったから慌てたそうだ。ノイリはマルタに抱きついて謝った。
 ニアスの肌は少し冷たいけど、マルタは毛皮に覆われているから温かい。
「マルタ、ノイリを風呂に入れてやってくれ。俺の部屋で寝たから、臭うとか言われたらまずいし」
「ニアス様は臭くありませんよぉ。不潔な獣族とは違うんですから」
 獣族は毛があるので、手を抜くとすぐに臭うようになるらしい。かといって毎日風呂に入るのは手入れが大変なのだそうだ。体毛が多いと乾きにくいから。
 五区の街の子も、洗いたてとそうでないのはよく分かる。それでも毎日ぬれタオルで拭いているから、汚い獣族とは匂いが雲泥の差らしい。
「あと、昨日は言わなかったがノイリ、例え兄貴のところにでも夜中に男のところにはもう行くなよ。身の危険を感じたとか、そういう理由がないと。いつまでも小さな子供じゃないんだからな」
 昨日、リズィにも同じような事を言われたのを思い出す。
「はしたない……ですか?」
「そう思う連中もいるから。昼間、マルタを連れてなら大丈夫だ。
 ほら、そろそろ用意をしないと、いつお呼びがかかるかわからないだろう。陛下を待たせてはまずい」
「ヘイカーさん?」
「女王陛下だ」
 よく似た名前だ。ややこしい。
「うんと着飾って、陛下をぎゃふんと言わせてこい」
「ぎゃふ?」
 ニアスの言うことは時々意味が分からない。
 ニアスは仕事に行くと言って部屋を出て行き、ノイリはマルタに連れられ浴場に行く。全身を洗われて、いい匂いのオイルを手足にすり込まれ、髪を乾かされて爪の形を整えられる。
 マルタはお風呂の湿気が嫌いだから、自分が身体を洗う日以外は、ノイリが自分でやるか竜族にされていたのだが、今日は綺麗な魔族の人達にされて変な気分だった。
 羽を引っ張られるのは、ちょっと困惑した。羽は水を弾くから、少し動かすだけで乾くのに。
 でもブラシをかけてもらうのは好きだ。
 綺麗になると部屋に戻り、用意してあった衣装と小物を選んでもらう。
 やはり白いドレスがいいだろうと、昨日よりは装飾の少ない、シンプルなラインの背中と肩が出るドレスを着る。
 そのかわり、装飾品でたくさん飾る。髪は結い上げて、紐と造花で飾る。垂れている髪と紐が絡んで可愛い。
 翼の骨のところにも飾りをつけて、動くとしゃらりと揺れて華やかだ。でも指輪などはつけない。子供らしさがないかららしい。大人と子供では、飾り方が違うのだ。
 大人になったら石のついた指輪やネックレスを買ってくれるそうだ。
 ノイリは派手な装飾品はなくてもいいが、着飾るとエンダーが褒めてくれるから好きだった。
「ノイリ、お茶でも飲むかい。小腹が空いたでしょう」
「うん」
 いい匂いのお茶と、可愛い形のクッキー。太らない砂糖が使われているので、普通の三倍は食べられるらしい。でも、もちろん普通に食べる。少し変わっているが、これはこれで美味しい。
 クッキーのクズで服を汚さないようにハンカチを当てながら食べ、お茶をこぼさないように飲む。
 部屋に窓はない。
 窓のある部屋は眺めはいいが、侵入されやすく危険なのだそうだ。人間の世界と違って、空を飛べたり、壁を登ったり出来る種族が多いから。だから殺し屋は闇族か竜族が多いらしい。
 一番向かないのは魔族なのだそうだ。彼らには翼も壁を登る腕力もない、一番脆弱な種族だ。
 魔術の巧みさが彼らの強さなのだという。
「マルタ、昨日の本の続きを読むね」
「休憩を取りながら読むんだよ」
 こくりと頷くと、ハンカチをゴミ箱の上で綺麗にしてからポシェットにしまって、ゆっくりと本を読んだ。

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2007/10/21   窖のお城   51コメント 0     [編集]

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2007/10/19   推定家族   50コメント 0     [編集]

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2007/10/13   推定家族   49コメント 0     [編集]

6

 ニアスはぐったりとしてベッドに仰向けになった。
 疲れた。
 ノイリが悪いわけではないが、町中に出ると拐かされないか冷や冷やしっぱなしだった。
 エンダーはノイリに構いたかったようだが、たまに来たため有力者回りをしなければいけなかった。
 おかげでノイリ他、売ったら高そうな連中の面倒を見なければならなくなった。エンダーがいれば専用の車を出せるが、それはエンダーが使うので出せない。この都は人口も多いので、車を走らせるには手続きやら許可がいるのだ。ニアスではどうしようもなく、だから徒歩で出かけたのだ。
 それほど治安は悪くないのだが、やはり人の出入りも激しく、犯罪者も多い。
 大人数だったら城の中でじっとしているのが一番なのだが、外食に行きたいとリズィが言い、ノイリが期待に満ちた瞳を向けてくる。ノイリはともかく、リズィは理解してやっているからタチが悪い。いや、理解せずにやっている方が手に負えないのかもしれない。
 だめだとは言えず、仕方なくいつもの同僚二人を連れて街に出た。
 珍しいノイリは当然として、毛艶のいい獣族達にも視線は集まる。猫はともかく、ネズミで綺麗なのは珍しいのだ。
 同僚達がいてくれて助かったが、全員分おごるはめになり出費が痛かった。
 シャワーでも浴びるかと起き上がった時、ドアがノックされて力なく入れと声をかける。
「あ、ニアス様、この子ニアス様んところの子ですよね」
 妖族の青年が、涙の跡があるノイリの背を押して中に入れる。
「ニアス様っ」
 呆然としていると、ノイリがしがみついてきた。
「顔のこわーいおじさん達に脅えて泣いてましたよ。俺のことは脅えなかったから連れてきました。ダメですよ、こんな可愛い子をこんな夜中にうろつかせたら」
「うろっ……いや、まあ、礼を言う」
 うろつかせたわけではない。
 上等な客室をあてがい、マルタが眠らせたはずだ。
「……ノイリ、どうしてこんな夜中に」
「ひッ……ひっく……、め……めが……ふぅ……ひっ」
 泣き出してしまい、背を撫でてあやす。
「めが、さめ、たら……知らないところで……一人で」
「そうかそうか、怖かったのか」
 抱き上げてあやすと、ぎゅっとしがみついてくる。
「マルタはカルティのところか。いつも一人で眠れているから、大丈夫だと思ったんだな」
 しばらくすると眠くなったのか、ノイリは腕の中で寝息を立て始めた。
 そこまで見ていた妖族の男は、安堵した様子でテーブルにノイリのポシェットを置く。
「すまなかった。感謝する」
「いいんですよ。明日みんなに自慢できますから」
 妖族の男はケラケラと笑う。彼は痩せ型で目つきの鋭い、典型的な妖族だ。見方によっては可愛いと言えなくもない。だからノイリでも平気だったのだろう。
「でも、そこまで懐かれていると可愛くて仕方がないでしょうねぇ」
「それは、まあ……」
 自分の物でもないのに、可愛くて仕方がないのは本当だ。
「じゃあ、俺は行きますね。お休みノイリちゃん」
 すやすやと眠るノイリにて手を振って、顔見知り程度の男は部屋を出た。ああいう男に見つけてもらえて幸いだったが、もし変な奴らだったらと思うとぞっとした。
 明日起きたらたっぷり説教しなくてはいけない。ここは五区の城ではないのだから。

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2007/10/12   窖のお城   48コメント 0     [編集]

5

 ノイリは白猫のリズィと見つめ合う。
 とても可愛い。可愛くてぬいぐるみのように抱きしめたいが我慢する。そのかわりカルティに触れる。撫でるとマルタが喜ぶところを撫でる。きゅぅっとなってとても可愛い。
 カルティに触れているのに、リズィと目があった。睨まれている。なぜだろう。
「ちょっとあなた、カルティはそれでも男性よ。男性にベタベタ触れるなんてはしたないわ」
「はしたないですか?」
「そうよ」
 触れられるのはノイリの仕事のようなものだ。自分から触れるのが良くないのだろうか。
 考えていると、後ろから翼を引っ張られた。
「くすぐったいです」
 最近ではこれにも慣れたが、優しくされるととてもくすぐったいのだ。子供達に乱暴に引っ張られるのとは少し違う。
「こら、カルティ! あなたも女の子に軽々しく触れるなんて、何を考えているの!?」
「でも、羽だよ! 鳥の羽なんて、飾り以外で見たの初めてだよ!」
「珍しいのは承知しているわ。でも、子供でも女性なのよ。ニアス様に任された以上、この鳥を世話するのは私の仕事よ。さっさと暇つぶしにでもなるような本でも選んでらっしゃい」
 ぷりぷりと怒るリズィも可愛い。尻尾を揺らすと、ちりりんと音が鳴る。今度、五区の友人達にも作ってあげよう。きっと可愛い。兎さん達には耳につけてあげよう。きっととっても可愛い。男の子だけど。
「まったく、距離感のない人達は嫌になっちゃうわ。ノイリだったかしら。お茶を用意させるけど、嫌いな物はあるかしら」
「嫌いな物はないですけど、太るものはあまり飲食できません」
「ダイエット?」
「天族は本当はもっと、ガリガリなのが普通です。私は肥満で……たぶんエンダー様ぐらいの肥満なんです」
 最近、こう言えば理解してもらえるとようやく分かってきた。なぜかエンダーぐらい太っているというと、皆顔色を変えて痩せる方法や太らない食材を教えてくれる。
「そ、そうね。だったらお茶だけにしましょう。ダイエットにいいお茶よ。今流行なんだから」
「わぁ、うれしいです」
 エンダーにもダイエットしてもらいたいが、一緒に身体にいいお茶を飲むと、後でお菓子を食べている。ノイリには隠しているようだが、ちゃんと知っているのだ。
 エンダーと結婚する人は、生活管理をしっかりしてくれる人なら嬉しいのに、と思ってしまう。
 ノイリは飼われている身だが、妻ともなれば対等の立場だ。もう少しだけ身体を大切にするように説得して欲しい。肥満は万病の元である。
 ぽーっとしている内に、カルティが本を用意し、マルタがお茶を用意してくれた。
 置かれた本を見る。ノイリの知る本とは、少し雰囲気が違う。
「何ですかこれ」
「若い女の子に流行の恋愛小説だよ。女王陛下がお気に入りのシリーズなんだ。ノイリも同じ年代だし、どうかなって思って」
「こういうの読んだことないです。読んでみます」
 マルタも不思議そうに後ろから覗き込んでくる。いつも読んでいる本と違って、とても簡単な文章の本だ。
「あ、リズィ、そういえば最新刊が手に入ったけど、先に読む?」
「もう手に入ったの? 早いのねぇ」
「出版社の人と知り合いになったんだ。女王陛下がファンだって言ったら、外には漏らさないって条件で刷り上がったばかりのを持ってきてくれたんだよ」
「ちょ、どうしてそう言うことは早く言わないの!?」
「言ったら陛下が騒ぐよ。知り合いになったなんて言ったら、作家本人に会わせろとか言い出すよ。そんなことしたら相手がストレスためて書けなくなるよ」
 リズィは思い当たることでもあるらしく、それ以上は追求しなかった。
 一体、女王陛下はどんな方なのだろう。
「だから発売数日までは内緒だよ。その数日前でも、いつもたくさん買っているから早く手に入る本もあるってごまかしといてね。僕が言うと、なんかへましそうで怖いから君からさ」
「そういうことならいいわよ。まかせておいて」
 よく分からない会話だが、ノイリはとりあえずニコニコ笑う。女の子が分からない時は愛想よく笑っていればいいのだとエンダーが言っていた。
「そうだわ。ノイリ、ニアス様が戻られたら、一緒にディナーに行きましょう。太りにくい料理も取りそろえた店があるのよ」
「はい。エンダー様がいいと仰ったら」
「エンダー様こそ必要でしょう。ニアス様を説得して、説得していただけばいいのよ。そうよ。いいわ」
 彼女は自分の案が気に入ったらしくて、うんうんと頷いている。
「リズィは本当にニアス様好きだね」
 カルティが眼鏡をちょいと持ち上げながら言った。
 ああ、だからノイリを口実にして、本当はニアスと一緒に夕飯を食べたいのだ。
 ノイリもニアスが好きだから、一緒にご飯を食べると、違う物を食べていても嬉しい。リズィもきっとそうなのだろう。

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2007/10/10   窖のお城   47コメント 0     [編集]

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2007/10/06   推定家族   46コメント 0     [編集]

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