白夜城ブログ

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2007/09/28   推定家族   61コメント 0     [編集]

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2007/09/25   推定家族   60コメント 0     [編集]

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2007/09/24   推定家族   59コメント 0     [編集]

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2007/09/22   推定家族   58コメント 0     [編集]

4

「可愛い白猫さんです」
 ぴょこぴょこと揺れる赤いリボンが結ばれた尻尾。首にも鈴が縫いつけられた赤いリボン。
 顔立ちは常にすましたように見える上品な物で、五区でもあまり見ないほど可愛らしい獣族だ。だからこそ女王付にされている。
「リズィ、どうした。今日は女王陛下と一緒じゃないのか」
「陛下はお出かけですわ。わたくしは留守を任されていますの」
 おしゃま子猫は尻尾を一振りしてピンと背中を伸ばして言う。
「そうか。リズィ、この子は天族のノイリ。陛下のために五区から来た。身体の弱い子だから、気をつけてやってくれ」
 彼女はなぜかニアスに懐いており、近づく知らない女性を敵視する。こう言っておけば苛めないし、気をつけてくれるだろう。こう言わなければノイリは確実に苛められそうだ。
 ノイリは相手の事を知らぬから、ずっと触れたそうにしている。
「ノイリ、小さな子供以外にはあまり軽々しく抱きつかない方が良い。触れられるのを嫌う者も多いからな」
「は、はいっ」
 ノイリの翼が力なく垂れる。よほどカルティを撫で回したかったのか、叱られたと思っているのか。
「リズィは女王陛下の話し相手だ。気位も高いから、距離感は大切だ」
「わかりました」
 この少女は欲望を優先させる利己的なタイプではない。どちらかというと己のためにも従順に自己を殺すタイプだ。最悪の事態を考えるからこそ、彼女は物わかりがいい。しかし自分のことは考えるから、自分自身で追い詰めて自分を傷つけることもない。
 彼女は身体的には育てにくいが、性格的には育てやすい子なのだろう。
 子供相手に何だが、我が儘を言わないからこそ可愛いく感じるのだ。
 ニアスは元気な子供は好きだが、手足を振り回して叫ぶような我が儘な子供はあまり好きではない。
 我が儘な女子供の世話ほどやっかいなものはないと確信している。
 だからノイリは子供としても女としても扱いやすくて可愛いいのだが、それが不安材料でもある。今は主をエンダーと認識し最優先しているからまだ安心できるのだが、それでもうっかり安請け合いをしないか将来が心配だ。心配だからこそ、ここに連れてきた。
「マルタ、夕時にまた来る。それまではここにいるといい。ここなら安全だ」
 本の穴での暴力行為は他の場所で行われるよりも重罰となる。火気は厳禁。武器も入り口ですべて預かり。そんな場所で乱暴なナンパを行う物はいない。こんな子供をナンパしそうな連中がいるという方を問題視すべきなのかも知れないが、年齢的に釣り合う年少者も多く働いている。一概に変態ばかりとも言えない。
 ノイリがこれほど容姿に優れていなければ、ただ珍しいだけでこのような心配をする必要などなかったのだが、容姿に優れているからこそ兄がつい買ってしまったのだから仕方がない。ニアスは出来るだけのことをするだけだ。
「ここは安全だ。地下の本だけではなく地上の本もたくさんある。本は好きだろう」
「ニアス様は先ほどのお仕事を続けるんですか?」
「そうだ。頭が痛かったから、お前が来てちょうどいい気分転換になった」
 やる気のない連中を任されて、本当に頭が痛かった。
 綺麗に整えられた髪を乱さないように撫でて、癒しをくれたノイリに微笑む。
「じゃあリズィ、ノイリを俺か兄貴がくるまでよろしく頼む。珍しい魔族型だから、変な男に絡まれかねない。
 何かあったら溺愛している兄貴がどうなるか分からないからな」
「かしこまりましたわ。行ってらっしゃいませ、ニアス様」
 可愛らしく手を振る白猫に手を振り返し、同僚二人を連れて書庫を出る。やたらと二人がニヤニヤするので、腹が立ち軽く殴る。もちろん大した痛みもなく、二人は相変わらずニヤニヤと笑う。
「あのニアスが、ずいぶんとデレデレだなぁ」
「意外にも魔族型が好みだったとか」
「そういえば、お前よく魔族型の人形じっと見てるよな……」
「やたらと可愛いタイプの」
 事実だが、事実とはかけ離れた結論を出そうとする二人を再び殴っておく。
「土産用に見ていただけだ。マルタへの土産もあるぞ。兄貴へはないが」
「区王にはないのか。逆だろ普通」
「兄貴に俺が何を買ってくんだ。食い物しか喜ばないけど、食い物だとよけいに太るだろう。ダイエット食品を買っていったら味気ないって食べなかったしな」
 だからノイリのために買う予定だった。彼女は薄味が好みだから、ご婦人達に人気のそれは口に合うだろう。甘い物でも太りにくい素材で出来ているものがある。
 一区はその手の食品が多い。魔族型の女性は太りやすいからだと言われている。
 あとで街に連れて行って、そういうじょせい向けの甘味を食べさせてやろう。きっと喜ぶ。

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2007/09/15   窖のお城   57コメント 0     [編集]

3

 案の定喜んだ。
「真っ白。可愛い! マルタ、可愛い! 真っ白なマルタ!」
 ぎゅうっと抱きつかれ、カルティはまんざらでもない様子でちょろちょろと尻尾を振っている。
 ノイリの力は弱いし、何よりも彼女は可愛らしい。抱きつかれても喜びこそすれ、嫌がりはしない。
「ふわふわぁ。マルタの毛より柔らかいです」
「そりゃあ若い子にはかなわないよ」
 喜ぶノイリの失礼な言葉に、マルタは笑って応えた。獣族のことなど知らなければ、女性に言ってはいけない言葉だとは思わないと、獣族達は知っている。
「若いと柔らかいの?」
「そうだよ。魔族だって、若いうちは肌が綺麗だから、それと同じだよ」
「でも、マルタの毛も柔らかくて大好き」
 ノイリはカルティを放しマルタへと笑みを向ける。拘束をとかれると、カルティは母ではなく目の前の天族をまじまじと観察し始めた。
「こらカルティ。女の子をそんなにまじまじと見つめるものじゃないよ」
「え?」
 母に追い払われて、カルティは首をかしげる。ただ羽を見ていただけなのにと思っているのだろう。
「カルティ、悪いが二人を見ていてくれ。俺は仕事に戻る。それまでここで保護してくれると有り難い」
 部下も上司もほっといて来てしまった。しかし結果的には女王陛下の客だったわけで、放置するわけにもいかないので仕方がない。すぐに戻れば問題ないと考えていると、同僚二人が困惑した。
「ええ、遊ぶんじゃないのかっ!?」
「こんな時だし、どうせ向こうも戻ってこないものだと思って安心しているのに、戻ったらみんなが可哀相だろ」
 口喧しい上司など出て行ったままの方がいいだろうし、身分の高い部下など目の上のたんこぶだろう。理解している。しかし、だからといって遠慮するつもりなどない。
「お前達がさぼりたいだけだろう。勝手についてきたくせに」
 彼らの顔が引きつる。
 始めて見る種族をもっと見ていたいのだろう。
「ニアス様、もう行っちゃうんですか?」
 ノイリが瞳を潤ませてニアスを見上げた。この目に、ニアスは弱い。
「終わったら来る。そうしたら城の中を案内しよう」
「本当ですか?」
「ああ、本当だ。だから、安全なここで本でも読んでいるといい。カルティに言えば、一緒に本を選んでくれる」
 ノイリはニアスの腰にぎゅっとしがみつき、見上げて笑う。
「約束です」
「ああ、約束だ」
 まったく可愛い奴だ。
 同僚達がニヤニヤと見ているが、同じ事をされればよほどの冷血漢でもない限りは似たような反応をするだろう。この子は可愛いから。
「ちょっと!」
 左手からタックルをうけた。子供の力であるためそれほどの衝撃はなかったようだが、ノイリは驚いてニアスから離れる。
「ニアス様にしがみつくなんて、なんてはしたない子なの」
 ぷりぷりと怒る女の子の声にノイリはびくりと震え、ニアスの陰から出てきたのを見ると微笑んだ。
 ニアスに突撃したきたのが、赤いリボンの印象的な可愛らしい白猫の姿をしているからだ。
 可愛い生き物二人は、片方は怒って、片方は喜んで見つめ合った。

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2007/09/09   窖のお城   56コメント 0     [編集]

2

「女王陛下のお誕生日に、歌って欲しいんだそうです。今日はお出かけしているそうなので、明日お会いするんです」
えへへと笑うノイリは可愛い。今日はまさしく天上の天使がモチーフだろう。人間達の信仰らしいがだが、その姿が美しいからこそ人気があるのはニアスにも理解できた。
 真っ白なドレスに飾りの布が幾十にも下がって、動く度にふわふわと浮く。
 兄はこの子のドレスにお金をかけることを楽しみにしていそうだ。女王陛下に会わせるつもりなのだからかなりの金がかかっているだろう。
 これだけ気合いを入れているのに、あの気まぐれ女王は自分で呼びつけた約束の日に外出しているようで、このドレスが無駄になった。明日は別のドレスを用意しているはずだ。もったいない。
「ノイリちゃんますます可愛くなって。女の子は大きくなるのが早いよね」
 鼻の下を伸ばすのは、当然テルゼだ。ノイリもそろそろこれから隔離しないと危険な年頃になってきた気がする。子供など気がつけば身体の方は大人になっているものだ。油断は禁物。
「…………」
 気付けばノイリの顔から笑顔が消えていた。原因を考え、今までの思考パターンから答えを予測する。
「太ったという意味じゃないぞ。女らしくなったという意味だ。お前はいいかげん大きくなったとかいう言葉に反応するな。子供は大きくなるものだ」
「は、はい」
 ノイリの顔に笑顔が戻る。本当に可愛らしい。
 正月休みの時に渡そうと思っていた、可愛らしい小物を後でやろう。慣れぬところで緊張しているだろうから、気が紛れるかも知れない。
「ニアス……お前もそんな穏やかな顔を」
「扱きの鬼と呼ばれるお前が」
 なぜか後ろをついてくる、獣族と闇族の同僚達。先ほど叩きのめしたばかりなのだが、獣族だけありぴんぴんしている。
「何の用だ。なぜついてくる」
「いやいや、あまりにも珍しくってさ」
 闇族の男がからからと笑う。
「ユーリアス様達以外の闇族の方は始めて見ます。純血の方ですよね? 獣族の方は、ヨルヘイル様みたいです」
「ユーリアスとはかなり遠いけど親戚のカティーセだ。よろしく、お嬢さん」
 同じ闇族でも、真面目でお堅いユーリアスと違いこれは不真面目だ。
 可愛らしい女の子が相手なので、かなり猫を被っている。数年したら態度はもっとあからさまになるだろう。父が娘を必要以上に心配する様を見ると過保護だと思っていたが、これに近い心境なのかも知れない。
「アロンだよ。ヨルヘイル様とは近い系統の獣族だから、魔族型から見れば似てるかもね」
 アロンは誰に対してもこうだ。身分も実力も上であるニアスにも、同期だからと態度は同じ。さすがに目上には丁寧語を使うが、気分的には敬われているようには思えないだろう。
「しかし、噂には聞いていたが……五区王は本当に入れ込んでいるんだな」
 ノイリがきょとんとするものだから、ドレスの事だと言ってやる。
「ラクサ様のドレスをマルタが改造してくれたんです」
 ここに裁縫好きの、本当は娘が欲しかった女がいた。息子が可愛いもので女の子のように着飾らせようとしていたが、息子の方は心の底から服などどうでもよく、動きやすさを求めて可愛い服を汚した。
 そんな見た目だけは可愛い息子に、度々嘆いていた。
「マルタはそんな小さな手なのに器用だな」
「それぐらいしか取り柄がありませんからねぇ」
 澄ました様子だが、髭がぴくぴくしている。親子なだけありカルティと同じ反応だ。これが女ウケするのだ。現にノイリが引っ張りたそうにそれを目で追っている。
 カルティを見たらさぞ喜ぶことだろう。彼は本当に女子供のウケがいい。

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2007/09/08   窖のお城   55コメント 0     [編集]

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